バンクーバー美術館

バンクーバー美術館について

バンクーバー美術館（Vancouver Art Gallery, 略称：VAG）は、カナダのブリティッシュコロンビア州に位置する重要な文化施設です。ダウンタウンの中心にあり、展示面積は15,300平方メートルです。この面積はカナダ西部では最大規模を誇り、地域のアートシーンにおいて中心的な役割を果たしています。

美術館は、もともとイギリスの建築家フランシス・ラッテンベリーによって設計された州立裁判所の建物を改修して利用しています。この建物は1980年代から美術館として使用されており、2013年にはカナダ国定史跡に指定されるなど、その歴史的価値も高まっています。

歴史

バンクーバー美術館は1931年に正式に開館しました。その道のりは、地元の実業家ヘンリー・A・ストーンをはじめとする多くの支援者たちの尽力から始まりました。1931年の3月に建設が開始され、同年の10月にオープンを迎えました。その後、1951年にはエミリー・カーの作品157点を中心とした展示を行うために規模を拡張しました。

1983年には、長年裁判所として使用されていた建物を改築し、バンクーバー美術館としての新たなスタートを切りました。この改築により、来館者はより広いスペースでアートを楽しむことができるようになりました。

2004年、展示面積の不足が問題視され、新たな美術館の建設計画が提案され、隣接するラーウィル・パークへの移転が計画されました。2013年には国際的なコンペが実施され、様々な国から応募がありました。その結果、スイスの建築 firmヘルツォーク&ド・ムーロンが選ばれることとなりました。しかし、2020年に完成予定だった新館の建設は予算の問題で一時中断されています。

収蔵作品

バンクーバー美術館の収蔵作品は、12,000点以上に及びます。多くはカナダ西部とその周辺地域で制作された作品であり、その中には歴史的な作品や現代アートが含まれています。また、ファーストネーションに焦点を当てた作品や、先住民族のアーティストによる作品も多くあります。アジア地域のアーティストによる作品も豊富であり、写真やコンセプチュアルアートなども数多く収蔵されています。

有名なアーティストの作品としては、アンドレアス・グルスキー、トーマス・ルフ、シンディ・シャーマン、ロバート・スミッソンなどの写真作品があります。また、アジアの現代アーティストとしても、細江英公や森万里子の作品が収蔵されており、国際的なアートシーンでも注目されています。

まとめ

バンクーバー美術館は、地域のアート文化の発信地であり、訪れる人々に多様なアート体験を提供しています。その広範な収蔵作品と、国際的なアートシーンへの貢献は、美術館が今後も多くの人々に愛され続ける要因となるでしょう。

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