バンコク国際映画祭

バンコク国際映画祭（Bangkok International Film Festival, BKKIFF）

バンコク国際映画祭は、2003年からタイのバンコクで毎年開催されている映画祭です。タイ映画界の発展と国際交流を目的とし、多様なプログラムを提供しています。

歴史

黎明期

映画祭は、ネーション・マルチメディア・グループがタイ国政府観光庁（TAT）の協力を得て2003年に初めて開催されました。ネーション・マルチメディア・グループは以前から「バンコク映画祭」を開催していましたが、2003年以降、グループとタイ国政府観光庁は袂を分かつことになります。タイ国政府観光庁は「バンコク国際映画祭」を継続し、ネーション・マルチメディアは「バンコク世界映画祭」を新たに開始しました。

2003年から2006年まで、タイ国政府観光庁は映画祭の運営を、ロサンゼルスのフェスティバル・マネジメント社に委託していました。この時期には、カトリーヌ・ドヌーヴ、ジェレミー・アイアンズ、マイケル・ダグラスなど、多くの国際的な映画スターが映画祭に参加し、華やかなイベントが繰り広げられました。

クーデターと収賄疑惑

2006年のタイ軍事クーデター後、映画祭の予算は大幅に削減されました。タイ国政府観光庁はフェスティバル・マネジメント社との契約を解除し、2007年の映画祭は延期されました。この時期から、映画祭はアジア映画に焦点を当てるようになり、インドの女優ヘマ・マリニを招待するなどしましたが、以前ほどの注目を集めることはできませんでした。

2007年以降、映画祭の運営はタイ国政府観光庁からタイ国政府商務省輸出振興局に移管されました。同年、フェスティバル・マネジメント社のオーナーであるジェラルド・グリーンとパトリシア・グリーン夫妻が、アメリカ合衆国司法省によって逮捕されました。彼らは、タイ国政府観光庁長官への賄賂贈与に関与したとして、連邦海外腐敗行為防止法違反で告発されました。

タイ側では、当時の長官が疑惑を否定しましたが、2007年の総選挙直前に辞任するなど、政治的な波紋も呼びました。

2008年、映画祭は一時延期されたものの、最終的には9月に開催されました。タイ国政府観光庁がメインスポンサーとなり、国家映画協会連盟とタイ映画監督協会が運営を担当しました。

プログラム

映画祭では、様々なプログラムが用意されています。

国際選考会: 外国人審査員によって選ばれた12の外国映画が上映され、最優秀作品賞などが授与されます。
アセアン選考会: アセアン諸国の映画から最優秀作品が選ばれます。FIPRESCI（国際映画批評家連盟）のメンバーが審査を担当し、ゴールデン・キンナラ賞などが授与されます。

賞

映画祭では、以下の賞が授与されます。

コンペティション部門

ゴールデン・キンナラ賞
最優秀作品賞
最優秀監督賞
最優秀男優賞
最優秀女優賞
最優秀映画写真家賞
最優秀アセアン作品賞
最優秀アセアン・ショートフィルム賞
最優秀ドキュメンタリー賞
新しい声賞（最優秀新人監督）
ジェイムソン・タイ人民の選択賞

特別功労賞

生涯功労賞
キャリア功労賞
アジア映画振興貢献賞
クリスタル・レンズ賞（撮影功労賞）
アジアン・アイズ賞（アジア撮影優秀賞）
* タイ・ボックスオフィス賞（前年度最高の興行収入を記録したタイ映画）

まとめ

バンコク国際映画祭は、タイ映画界の国際的な窓口として、重要な役割を果たしてきました。過去には様々な困難もありましたが、現在もタイの映画文化を盛り上げるために活動を続けています。

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