バーイード

バーイード：10連勝の輝きと、惜しまれる引退

2018年4月8日生まれのバーイードは、イギリスで生産され、華々しい競走生活を送ったサラブレッドです。馬名はアラビア語で「遠い、遠く離れた」を意味する言葉に由来しており、その名の通り、他の競走馬を寄せ付けない圧倒的な強さで、競馬史に名を刻みました。

バーイードのデビューは3歳(2021年)の6月。レスター[競馬]]場の未勝利戦で初陣を飾り、その後も一般戦、リステッド競走と勝利を重ねます。重賞初挑戦となったサラブレッドステークス(G3)では6馬身半差という圧勝劇で重賞初制覇を達成。勢いに乗って挑んだ[[ムーラン・ド・ロンシャン賞]では、強豪を相手に1馬身1/4差をつけてG1初制覇を飾りました。続く[クイーンエリザベス2世ステークス]も制し、G1競走2連勝を達成しました。

4歳(2022年)になってもその強さは衰えず、[ロッキンジステークス]で復帰すると、3馬身1/4差をつけて圧勝。その後も、[クイーンアンステークス]、[サセックスステークス]と、連勝記録を伸ばしていきます。サセックスステークスでは、日本馬のバスラットレオンとの対戦も制し、大きな話題となりました。

更なる挑戦として、初の中距離戦となる[インターナショナルステークス]に挑んだバーイード。このレースでは、前年覇者ミシュリフやアイリッシュ2000ギニーを制したネイティヴトレイルといった強豪馬が出走しました。しかし、バーイードは後方から徐々に進出し、最後は6馬身半差をつけて圧勝。デビューからの連勝を10に伸ばし、父シーザスターズとの父子制覇という偉業も達成しました。

バーイードの活躍は、関係者やファンに大きな喜びをもたらしました。その圧倒的な強さから、次なる目標は凱旋門賞ではないかという期待が膨らみました。しかし、バーイード陣営は、凱旋門賞への出走を見送り、引退レースとしてチャンピオンステークスを選択。この発表を受けて、バーイードはブックメーカー各社で断然の一番人気となり、勝利への期待は最高潮に達しました。

引退レースとなったチャンピオンステークスでは、単勝オッズ1.2倍という圧倒的な支持を受けました。しかし、レースではスタートで出遅れ、最後の直線で外に出すも、いつものような伸びを見せることができず、4着に敗れました。生涯初黒星、そして10でストップした連勝記録は、イギリスを中心に大きな衝撃を与え、歴史的名馬としての評価を巡り様々な議論が巻き起こりました。

バーイードは競走馬として素晴らしい功績を残し、カルティエ賞の年度代表馬および最優秀古馬に選出されました。2023年からはシャドウェルスタッドで種牡馬として第二のキャリアをスタートさせました。その血統は、将来の競馬界を担うであろうサラブレッドたちに受け継がれていくことでしょう。バーイードの競走馬としての記録は、多くの競馬ファンに感動と興奮を与え続け、競馬史に燦然と輝く一頁を刻みました。その活躍は、これからも語り継がれていくことでしょう。

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