バーデン・ヴュルテンベルク級フリゲート

バーデン・ヴュルテンベルク級フリゲートについて

バーデン・ヴュルテンベルク級フリゲート（Klasse 125）は、ドイツ海軍が新たに導入したフリゲート艦の艦級です。これは、21世紀の変化する軍事環境に対応するために設計されたものであり、特に非対称戦争やその他の軍事作戦に重きを置いた防衛システムが特徴です。

来歴

バーデン・ヴュルテンベルク級は、従来のドイツ海軍の艦艇の発展系として位置付けられ、スタートは西ドイツ海軍時代に遡ります。当初は101型駆逐艦（ハンブルク級）の国産化が進められ、その後、アメリカのチャールズ・F・アダムズ級を基にした103型、オランダのコルテノール級を基にした122型、さらにはMEKO型を基にした123型、そしてザクセン級（124型）へと続く艦級が開発されてきました。しかし、これまでの艦級に比べ、バーデン・ヴュルテンベルク級は、より複雑で多様化した任務に対応することを目的としています。

この艦級の開発は2007年に始まり、初めに4隻の建造契約が結ばれました。設計上は、遠隔地での長期任務を少人数で効率よく遂行できるように工夫されており、従来の防空や対潜能力は、特殊作戦や平和維持活動に特化した構造へと変更されています。

設計

設計の要求事項には、母港を離れた状態での最大24ヶ月の連続展開、年間5000時間の海上作戦、60ヶ月ごとの大規模オーバーホールが挙げられます。少人数での運用が求められるため、乗員数は140名に制限され、加えて平和維持活動用に50名のスペースも確保されています。

船体は二重隔壁式構造で、重要な設備を前後に分散配置し、抗堪性を高めています。主機としてはディーゼル・エレクトリック方式とガスタービンの複合推進システムが採用されており、港湾での操艦の精度向上を目的にバウスラスターも装備されています。

装備

武器システムに関しては、非対称戦争を念頭に置いた構造になっており、主砲にはオート・メラーラの127mm砲が搭載され、最大100kmの誘導砲弾を発射する能力があります。また、近接防空ミサイルとしてRAMや、対艦ミサイルにはハープーンを搭載し、近距離での対処には27mm機関砲を設置しています。ただし、特定の対潜兵器は一切搭載されておらず、対潜捜索は艦載ヘリコプターに依存しています。

運用史

1番艦の「バーデン・ヴュルテンベルク」は、2016年に海上公試を実施しましたが、設計上のミスや武器装備の不具合が指摘され、2017年には海軍に就役を拒否されました。最終的には改修工事の後、2019年にやっと就役を果たしました。このようにバーデン・ヴュルテンベルク級フリゲートは、ドイツ海軍における新しい時代を切り開く艦隊の一翼を担う存在として期待されています。

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