バーニング・ブリッジズ

ボン・ジョヴィ『バーニング・ブリッジズ』解説

『バーニング・ブリッジズ』は、アメリカのロックバンド、ボン・ジョヴィが2015年8月21日に発表した13枚目のスタジオ・アルバムです。前作『ホワット・アバウト・ナウ』から約2年ぶりのリリースとなりました。

このアルバムは、ジョン・シャンクスがプロデュースを手掛け、2013年にギタリストのリッチー・サンボラが脱退後、初めてリリースされたアルバムとしても注目されました。ただし、「サタデイ・ナイト・ゲイヴ・ミー・サンデイ・モーニング」のみ、リッチーが作詞・作曲に関わっています。リードギターはジョン・シャンクスが担当しました。

本作は、マーキュリー・レコードとの32年間にわたる関係を締めくくる最後のアルバムとなりました。ジョン・[[ボン・ジョヴィ]]自身が「ファンレコード」と位置付けているように、未完成曲や過去にシングルとしてリリースされた楽曲など、多様な要素で構成されています。

翌2016年には、14枚目のスタジオ・アルバム『ディス・ハウス・イズ・ノット・フォー・セール』がリリースされています。

制作背景

2014年、ジョン・[[ボン・ジョヴィ]]は今後のアルバムに向けて楽曲を制作中であることを明かし、2015年にレコーディング、2016年にリリースする計画を発表しました。また、リッチー・サンボラの脱退についても触れ、復帰の可能性を示唆しつつも、バンドとしての難しさも語っています。

2015年2月の時点では、12曲の作詞・作曲の初期段階にあり、そのアイデアは新聞記事から得たものだとされています。同年4月には、アーヴィング・アゾフとマネジメント契約を結びました。

ジョンは、マーキュリー・レコードとの契約について、「32年間レーベルに在籍し、最も長く在籍しているアーティストだが、契約は契約だ」と語っています。また、タイトル曲については、「何が起こったのかを正確に説明している」と述べています。

『バーニング・ブリッジズ』は、マーキュリー・レコードが提示した条件に納得できなかったバンドが、契約を果たすためだけに制作したという背景があります。そのため、タイトルや歌詞には、レーベルへの不満が込められていると解釈されています。

ボン・ジョヴィの離脱に対し、マーキュリー・レコードは「ジョンはロックンロールの象徴であり、商業的及び創造的な成功をもたらしてくれたことを誇りに思っている」とコメントしました。

また、過去のアルバムで共同執筆や制作に携わってきたデスモンド・チャイルドの名前が、1985年の『7800°ファーレンハイト』以来初めてクレジットされていないアルバムでもあります。

批評と評価

オールミュージックのスティーヴン・トマス・アールワインは、「ファンアルバム」として、多様な音源と簡潔でパワーバラードの多い収録曲がファンを惹きつけると評価しつつも、5つ星中1.5星をつけました。アズベリーパークプレスのクリス・ジョーダンは、ジョン・[[ボン・ジョヴィ]]の怒りの輝きを備えていると肯定的な評価をしています。ミルウォーキー・ジャーナル・センチネルのジョン・M・ギルバートソンは、1980年代のヘアメタルから成熟したサウンドへの変化を評価し、ニューズデイはB-の評価を与えています。

プロモーション

アルバムからは、「ウィー・ドント・ラン」と「サタデー・ナイト・ゲイヴ・ミー・サンデイ・モーニング」の2曲がシングルとしてリリースされました。「サタデー・ナイト・ゲイヴ・ミー・サンデイ・モーニング」は元々『ザ・サークル』の制作時に書かれたものの、収録されなかった楽曲です。「ウィー・ドント・ラン」は、ドラムンベースを取り入れたロックソングとなっています。

アルバムの先行予約は2015年7月31日から開始され、「ア・ティアドロップ・トゥ・ザ・シー」、「ブラインド・ラヴ」、「アイム・ユア・マン」がデジタルリリースされました。また、全曲のリリックビデオがBon JoviのYouTubeアカウントで公開されています。

『バーニング・ブリッジズ』は、ボン・ジョヴィのキャリアにおいて、様々な意味を持つ作品と言えるでしょう。

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