バーベナ

バーベナ：多様な姿を見せるクマツヅラ科の植物

バーベナ（学名: Verbena）は、クマツヅラ科クマツヅラ属に属する植物の総称です。世界各地に約250種もの一年草や多年草が存在し、「美女桜」という美しい別名でも親しまれています。英語ではバーベナ(Verbena)と呼ばれ、フランス語ではヴェルヴェーヌ(verveine)という名称でハーブとして用いられることもあります。

多彩な形態と生態

バーベナの生育様式は多様で、地面を這うように広がるものから、高さ1メートルを超えるものまで存在します。葉は通常、単葉で対生し、細かく裂けている種もあります。花は比較的小さく、5枚の花弁を持ち、白、ピンク、紫、青など様々な色合いで咲き誇ります。花序は総状花序を形成します。耐寒性に関しては、多くの種が非耐寒性ですが、中には最低気温マイナス10度にも耐える耐霜性の種もあります。

広い分布域

バーベナの分布域は非常に広く、大部分はアメリカ大陸の熱帯から温帯にかけて見られます。また、南ヨーロッパやアジアなど、ユーラシア大陸にもいくつかの種が自生しています。

多様な下位分類と園芸品種

バーベナ属には多くの種が含まれ、その中には園芸用に栽培されている雑種も多く存在します。代表的な種としては、北アメリカとメキシコに分布する匍匐性の多年草である Verbena bipinnatifida、南アメリカ原産で日本でも野生化しているヤナギハナガサ(Verbena bonariensis)、同じく南アメリカ原産で野生化しているアレチハナガサ(Verbena brasiliensis)などが挙げられます。さらに、北アメリカ原産の Verbena canadensis（ハナガサソウ）、南アメリカ原産で耐寒性のある大型多年草の Verbena corymbosa など、様々な種が知られています。観賞用として広く栽培されているバーベナ(Verbena × hybrida)は、多くの園芸品種を生み出しており、4月から11月頃にかけて美しい花を咲かせます。

日本におけるバーベナ

日本には、クマツヅラ(Verbena officinalis)が自生しており、その葉は生薬として用いられ、「馬鞭草（バベンソウ）」と呼ばれています。また、前述のように、ヤナギハナガサやアレチハナガサなど、帰化植物として野生化している種も存在します。

活用と利用

バーベナは、その美しい花から観賞用として人気が高く、花壇や鉢植えなどで広く栽培されています。また、一部の種はハーブとして利用され、ヴェルヴェーヌの名で知られるものもあります。さらに、北米産の特定の種は生薬としても利用されています。

まとめ

バーベナは、多様な形態、生態、分布域を持つクマツヅラ科の植物です。多くの種があり、観賞用やハーブとして、そして生薬としてなど、人々の生活に様々な形で貢献しています。その多様性と美しさから、今後も人々を魅了し続ける植物と言えるでしょう。

もう一度検索