パイパーズ

『パイパーズ』は、1981年8月に創刊され、2023年3月まで発行されていた日本の管楽器専門月刊音楽雑誌です。「管楽器と人の雑誌」を旗印に、クラシック音楽を中心に、管楽器や打楽器に関する専門的な記事を提供し、音楽界で確固たる地位を築きました。

従来の吹奏楽雑誌が児童や生徒を主な対象としていたのに対し、『パイパーズ』はプロの演奏家や音楽研究者を志す読者層をターゲットとし、学術的な専門性を重視した記事内容が特徴でした。この点が、他の音楽雑誌との大きな差別化要因となり、多くの専門家や愛好家から支持を得ました。

著名な執筆者としては、オーボエ奏者・指揮者の茂木大輔が挙げられます。彼は1990年代から『パイパーズ』を執筆活動の拠点としており、その他にも、木幡一誠（木管楽器全般とCD評）、成澤良一（ダブルリード楽器と近代日本音楽史）など、各分野の専門家が常連執筆者として名を連ねていました。

2023年4月号（3月20日発売）をもって、通算500号という節目を迎えた『パイパーズ』は休刊となりました。出版元の杉原書店は、楽譜の販売やバックナンバー販売などの業務は継続するとしています。

『パイパーズ』では、連載作品も充実しており、後に単行本として出版されたものも多数あります。主な連載作品としては、半沢周三の『光芒の河』（単行本は『光芒の序曲―榊保三郎と九大フィル』として出版）、竹内明彦の『管楽器が鳴っているとき楽器の中では何が起こっているか』、『楽器学のすすめ』（単行本は『こうして管楽器はつくられる ～設計者が語る「楽器学のすすめ」』として出版）、佐伯茂樹の『トロンボーン・マスターピース 大作曲家のトロンボーン作品』、『管楽器奏者のための音故知新』（連載を再構成して『名曲の「常識」「非常識」:オーケストラのなかの管楽器考現学』として出版）などが挙げられます。これらの連載は、読者の知的好奇心を刺激し、管楽器の世界をより深く理解する上で重要な役割を果たしました。

『パイパーズ』の休刊は、多くの音楽関係者や愛好家にとって大きな損失であり、その専門性と質の高い記事は、今後の音楽雑誌のあり方にも影響を与えたと言えるでしょう。

関連情報として、クラシック音楽、管楽器、打楽器、吹奏楽などが挙げられます。

また、公式Facebookページも存在し、過去の記事や関連情報などを閲覧することができます。

『パイパーズ』は、その専門性と質の高さから、日本の管楽器音楽の発展に大きく貢献した雑誌として、今後もその存在が語り継がれることでしょう。

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