パウロ・マレラ

パウロ・マレラ枢機卿の生涯：教皇使節として世界に貢献した聖職者

パウロ・マレラ（Paolo Marella, 1895年1月25日 – 1984年10月15日）は、イタリア出身のカトリック教会の枢機卿であり、ローマ教皇庁において重要な役割を果たしました。教皇使節としての豊富な経験を持ち、1959年にはヨハネ23世によって枢機卿に任命されました。

生い立ちと司祭叙階

マレラはローマで、ルイージとヴィンチェンツァ（旧姓バルドーニ）の間に生まれました。教皇庁立ローマ神学校とローマ・ラ・サピエンツァ大学で学び、1918年2月23日にバジリオ・ポンピリ枢機卿によって司祭に叙階されました。叙階後、1922年までローマで司牧活動を行いながら研究を続けました。

教皇庁でのキャリア

1922年から1924年まで、マレラはローマ教皇庁布教聖省の役人として勤務しました。1923年1月9日には教皇侍従に、1933年4月5日には教皇の家庭の名誉会員である聖職者となりました。その後、米国への使徒代表団で監査役（1924年–1933年）および臨時代理大使（1933年2月から9月）を務めました。

教皇使節としての活動

1933年9月15日、マレラはピウス11世によってドクレア名義大司教に任命されました。同年10月29日には司教に叙階され、翌日の10月30日には日本への教皇使節に任命されました。1942年には、バチカンが日本との事実上の外交関係を認めた際、「完全な外交特権」を与えられました。1948年10月27日には、オーストラリア、ニュージーランド、オセアニアへの教皇使節に任命されました。

1949年2月4日には、離任の挨拶として皇居を訪問し、昭和天皇の午餐に陪席する栄誉に浴しました。また、1940年代にはピウス12世の代理人としてフランスに派遣され、エマニュエル・セレスタン・シュアール枢機卿が支援していた労働司祭運動の根絶を目指しました。1953年4月15日には、教皇使節としてアンジェロ・ロンカリ大司教（後のヨハネ23世）の後任となりました。

枢機卿への昇進と公会議への参加

ヨハネ23世は、1959年12月14日の教会会議でマレラを枢機卿に任命しました。マレラはシャルル・ド・ゴール大統領からパリで赤いビレッタを受け取りました。1960年3月28日の教会会議で、サンタンドレア・デッレ・フラッテの司祭枢機卿として発表されました。1961年8月14日にはサンピエトロ大聖堂の首席司祭に任命され、1962年から1965年まで第2バチカン公会議に出席しました。1963年のパウロ6世を選出したコンクラーヴェにも参加しています。

その他の活動

1964年4月20日、教皇の使節としてニューヨーク万国博覧会のバチカンのパビリオンでピエタの除幕式を主催しました。また、4人のリベラルな神学者が講義を行うのを禁じたことで、彼を称賛したアメリカ・カトリック大学を含む4つの大学から名誉博士号を授与されました。

1964年5月19日には、非キリスト教徒事務局長に就任し、パリのノートルダム大聖堂の建立800周年（1964年5月27日）、日本で最初のカトリック宣教師が東京に到着した100周年記念式典（1965年1月12日）、ピッツバーグで開催されたキリスト教教義連合全国会議（1966年8月28日）への教皇特使を務めました。

1970年には、日本万国博覧会（大阪万博）の教皇代表を務めました。1973年2月末に事務局長を辞任し、1977年12月12日からその死まで、枢機卿団の副団長を務めました。

パウロ・マレラ枢機卿は、その生涯を通じてカトリック教会の発展に大きく貢献し、世界各地でその影響力を行使しました。彼の業績は、今もなお多くの人々に記憶されています。

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