パオロ・ジェンティローニ

パオロ・ジェンティローニ：イタリアの政治家、欧州委員

パオロ・ジェンティローニ・シルヴェーリ（Paolo Gentiloni Silveri）は、1954年11月22日生まれのイタリアの政治家です。民主党に所属し、イタリアの通信相（2006年 - 2008年）、外相（2014年 - 2016年）、そして第64代閣僚評議会議長（首相、2016年 - 2018年）を歴任しました。2019年からは欧州委員会（フォン・デア・ライエン委員会）の経済担当委員を務めています。

生い立ちと家族

ジェンティローニは、ジェンティローニ・シルヴェーリ伯爵家の末裔であり、著名な親族には保守派のカトリック選挙連合の党首であったヴィンチェンツォ・オットリーノ・ジェンティローニがいます。ヴィンチェンツォは、長年首相を務めたジョヴァンニ・ジョリッティの盟友でした。

ローマで生まれ、同市内のトルクァート・タッソ文科高校を卒業後、ローマ・ラ・サピエンツァ大学で政治学を修めました。また、ジャーナリストとしても活動しています。

政治活動

ジェンティローニは、当初マリオ・カパンナが旗揚げした極左青年組織「学生運動」のメンバーでした。その後、環境団体レガンビエンテの機関紙「ラ・ヌオーバ・エコロジア」（新たな生態系）の編集長となり、エコロジスト系新聞の編集長として、当時緑の連盟の若き指導者であったフランチェスコ・ルテッリと会見しました。

1993年には、ローマ市長選挙に立候補したルテッリのスポークスマンを務め、ルテッリの当選に貢献。ジェンティローニ自身もローマ市議会の宝飾品・観光評議員に任命されました。

国会議員として

2001年の総選挙で国会議員に初当選し、国政に進出しました。2002年には新党「マルゲリータ」に合流し、同党のスポークスマンを5年間務めました。2006年から2008年の第2次ロマーノ・プローディ内閣では通信相を務めました。

2007年に民主党が結成された際には、全国結党委員会の委員を務めました。2013年にはローマ市長選挙に立候補しましたが、3位に終わりました。同年、民主党書記長を辞任したベルサーニの後継を決める選挙では、当時フィレンツェ市長であったマッテオ・レンツィを支持しました。

外相として

2014年10月31日、首相のレンツィから、フェデリカ・モゲリーニの後任として外相に任命されました。外相在任中は、リビアでのISILに対する空爆の用意があることを示唆したり、キューバとアメリカ合衆国の関係正常化に対する支持を表明したりしました。また、イタリア市民の拉致事件にも数多く対処しました。

2016年には国際連合安全保障理事会非常任理事国をめぐる選挙で、オランダと2年の任期を折半することで合意しました。

首相として

2016年12月7日、レンツィが国民投票の結果を受けて首相職を辞任したことを受け、セルジョ・マッタレッラ大統領から新政権の組閣を要請され、ジェンティローニ内閣が発足しました。

ジェンティローニ内閣は、リビング・ウィルの制度化や新たな選挙法の国会通過など、長年懸案となっていた改革を果たしました。また、移民や社会保障に関する規則を厳格化し、欧州難民危機に立ち向かう姿勢を示しました。外交ではペルシャ湾諸国との関係構築に努め、2012年の「エンリカ・レクシエ号」事件以来ぎくしゃくしていたインドとの関係正常化を果たしました。

欧州委員として

2019年8月、コンテ内閣の崩壊後、五つ星運動との連立政権を組む用意があることを表明しました。その後、フォン・デア・ライエン委員会で経済担当委員に任命され、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) に対処する委員会の特別タスクフォースの座長を務めました。

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