パク・セウン (バレエダンサー)

パク・セウン：アジア初のパリ・オペラ座バレエ団エトワール

パク・セウン（Park Sae Eun）は、1989年生まれの韓国出身のバレエダンサーであり、パリ・オペラ座バレエ団で最高位のエトワールにアジア人として初めて任命されたことで知られています。彼女は10歳でバレエを始め、その才能を開花させ、世界的なバレリーナへと成長を遂げました。

バレエとの出会いと研鑽

幼い頃から音楽に親しむ環境で育ったパク・セウンは、10歳の時に観た『くるみ割り人形』に感銘を受け、バレエの世界へ足を踏み入れました。韓国芸術総合学校でクラシック・バレエの基礎を学び、12歳から本格的にバレエに取り組み始めます。パリ・オペラ座バレエ団で活躍していたキム・ヨンゴルとの出会いは、彼女にフランス・バレエへの憧れを抱かせました。

17歳でアメリカン・バレエ・シアター（ABT）IIに加入し、海外での舞台経験を積みます。その後、韓国国立バレエ団でのソリスト経験を経て、2011年にパリ・オペラ座バレエ団に契約団員として入団しました。

パリ・オペラ座での挑戦

パリ・オペラ座バレエ団での道のりは決して平坦ではありませんでした。契約団員時代は舞台裏での待機が多く、苦労を重ねましたが、彼女は諦めずに努力を続けました。イザベル・シアラヴォラの踊りを間近で見ることができたことが、大きな励みになったと言います。

2013年に正式団員となると、才能を開花させ、数々のコンクールで昇進を果たします。2017-18年のシーズンには、『ジュエルズ』の『ダイヤモンド』を踊り、韓国人として4人目のブノワ賞を受賞しました。

エトワールへの輝かしい道

2021年6月、パク・セウンは『ロミオとジュリエット』でジュリエット役を演じた後、アジア人として初めてパリ・オペラ座バレエ団のエトワールに任命されました。これは、彼女の長年の努力と才能が認められた瞬間でした。

エトワールに任命されたことで、彼女は自身の希望する作品に出演できるなど、様々な特典を得られるようになりました。彼女は「常に最高の舞台をプレゼントするバレリーナになりたい」と、今後の抱負を語っています。

レパートリーと評価

パク・セウンのレパートリーは、クラシック・バレエから近現代作品、コンテンポラリーまで多岐にわたります。『白鳥の湖』、『ドン・キホーテ』などのクラシック作品に加え、バランシン、アシュトン、ヌレエフなどの作品でも主役級を踊りこなします。ジョン・クランコ振付の『オネーギン』は、彼女が長年踊りたいと願っていた作品です。

彼女の踊りは、技術の高さに加え、感情表現の豊かさでも高く評価されています。レスムジカ誌は、彼女のジュリエットについて「愛くるしいジュリエットだった。テクニックは常に堅固であるとともに、繊細、流麗で軽やかだった」と評しました。

人柄と私生活

パク・セウンは、物静かで穏やかな性格であり、パリ・オペラ座バレエ団の同僚からは「サエ」の愛称で親しまれています。同じくアジア系のオニール八菜とは親友であり、共演の機会も多いです。

彼女は自身のルーツに誇りを持ち、韓国籍を維持しています。2023年1月には女児を出産し、産休明けの復帰舞台として『マノン』に主演することが予定されています。

今後の展望

エトワールという最高の地位に上り詰めたパク・セウンですが、彼女の挑戦はこれで終わりではありません。今後も様々な作品に挑戦し、観客を魅了する舞台を届けてくれることでしょう。彼女の今後の活躍から目が離せません。

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