パリメトロ5号線

パリメトロ5号線：パリの街と郊外を結ぶ地下鉄路線

パリメトロ5号線は、フランス・パリの地下鉄路線として、パリ交通公団（RATP）によって運営されています。パリ南東部の13区にあるプラス・ディタリー駅から出発し、パリ市内東部を南北に貫通、北東部の郊外ボビニー＝パブロ・ピカソ駅までを結んでいます。

路線概要

5号線は、イタリー広場地下にあるプラス・ディタリー駅から始まり、北北東方向へ進みます。オステルリッツ駅を経由し、セーヌ川を渡るオステルリッツ高架橋区間では地上を走行します。その後、サン・マルタン運河西岸を北上し、バスティーユ広場、レピュブリック広場、東駅、北駅といった主要駅を経由。北駅からは北東方向へ進み、ポルト・ド・パンタンでパリ市境を越えてボビニー市へと至ります。

一部区間は高架線、地上線となっており、特にセーヌ川を渡る区間やボビニー市内の区間は地上を走行しています。この地上区間は、パリの街並みを地上から眺めることができる特徴的な区間となっています。

歴史

5号線の歴史は、1906年の開業に遡ります。パリメトロ路線としては5番目の開業となりました。当初の計画では、現在の6号線の一部区間を含み、パリ市南部から東部にかけてほぼ3分の2周する路線として構想されていました。しかし、計画変更を経て、現在のプラス・ディタリー駅と北駅を結ぶ路線として建設されました。

開業後も、路線は何度か延伸されました。1942年には北駅を東側に移設し、さらに北東部へ延伸。また、1985年には現在の終点であるボビニー＝パブロ・ピカソ駅まで延伸され、現在の路線形態が確立されました。興味深いことに、プラス・ディタリー駅から南西方向への延伸計画もあったものの、実現には至りませんでした。

年表

1906年6月2日: プラス・ディタリー〜オステルリッツ駅間開業
1906年7月13日: オステルリッツ駅〜ケ・ド・ラ・ラペ駅間延伸開業、オステルリッツ高架橋供用開始
1906年7月23日: ケ・ド・ラ・ラペ駅〜リヨン駅間延伸開業（単線、その後旅客営業廃止）
1906年12月17日: ケ・ド・ラ・ラペ駅〜ジャック・ボンセルジャン駅間延伸開業
1907年10月14日: 2号線の一部区間（現6号線の一部）を編入
1907年11月15日: ジャック・ボンセルジャン駅〜北駅間延伸開業
1942年10月6日: 6号線に移管された区間の分離
1942年10月12日: 北駅〜エグリーズ・ド・パンタン駅間延伸開業、北駅移設
1985年4月25日: エグリーズ・ド・パンタン駅〜ボビニー＝パブロ・ピカソ駅間延伸開業

車両と車両基地

5号線では、MF 67型車両が運行されています。全長約90m、各車両に片側4つのドアを備えています。車両間の乗客の行き来は通常できません。車両基地はボビニー市にあり、大規模な検査や改修は7号線のショワシー車両基地で行われます。

主要駅

5号線には、パリの中心部や郊外を代表する多くの駅が含まれています。

ボビニー＝パブロ・ピカソ駅: トラム1号線と接続
ボビニー＝パンタン＝レイモン・キュノー駅: 作家レーモン・クノーにちなんだ駅名
パリ北駅: RER B,D線、フランス国鉄など複数路線と接続
パリ東駅: メトロ4、7号線、フランス国鉄と接続
レピュブリック駅: メトロ3,8,9,11号線と接続
バスティーユ駅: メトロ1,8号線と接続。歴史的なバスティーユ牢獄の壁の一部が残る
オステルリッツ駅: メトロ10号線、RER C線、フランス国鉄と接続
* プラス・ディタリー駅: メトロ6,7号線と接続

その他にも多くの駅があり、各駅はパリの街の歴史や文化を反映した名称や特徴を持っています。

廃駅と新駅計画

歴史的に、アルスナル駅など廃止された駅もあります。また、将来的にはボビニー＝パンタン＝レイモン・キュノー駅〜ボビニー＝パブロ・ピカソ駅間に新駅建設の計画があります。

まとめ

パリメトロ5号線は、パリの街と郊外を結ぶ重要な交通手段として、長きにわたって市民に利用されています。その歴史と路線の変遷は、パリの都市発展と密接に関わっており、今後もパリの街の発展に貢献していくことでしょう。

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