パリ日本館

パリ日本館

パリ日本館（Maison du Japon）は、フランスのパリ南部、国際大学都市14区に位置する学生寮です。この寮は、留学生や特定の条件を満たす研究者、芸術家を受け入れる場として運営されています。さらに、夏季のみの短期滞在も可能です。居住者は日本人が全体の70%を超えないように選ばれ、国籍の多様性が保たれるよう配慮されています。

建設の歴史

パリ日本館の設立は、フランスの詩人であり劇作家のポール・クローデルが国際大学都市に日本館の建設を提案したことから始まりました。その後、薩摩治郎八氏の寄付により、350万フランを集めた結果、1929年に完成し、国際大学都市に寄贈されました。この歴史的な背景から、日本館はアジアの国々の中でも一早く設立された意義深い場所となっています。

第二次世界大戦を挟みながらも、多くの日本人留学生や研究者、芸術家がこの場所を滞在拠点として利用してきました。2020年の時点では、アジアからは日本、インド、カンボジア、韓国の4国がそれぞれの名を冠した寮を持っています。

運営の変遷

もともと国際大学都市の直轄館であった日本館は、1953年に締結された日仏文化協定の影響で、駐仏日本大使を理事長とする管理組織への移行が行われました。これにより、日本館は非直轄館として運営される形になり、所有権はフランス政府にありますが、実際の管理責任は日本政府に委譲されました。館長は日本から派遣された職員が担当しています。

日本館は1990年代までは老朽化に苦しんでいましたが、日本政府の資金により二度の改修が施され、現在の施設が整備されました。

館内の特徴

パリ日本館は、薩摩館とも呼ばれ、館内には藤田嗣治の大作「欧人日本へ渡来の図」と「馬の図」が展示されています。また、約1万冊の書籍を収蔵する図書室もあり、ここでは日本文学やフランスに関する文献、さらには戦前から現代に至るまでのフランス人による日本研究に関する成果が集められています。蔵書の一部はオンラインで閲覧可能であり、過去には図書館に司書がいた時期もありましたが、経済的理由から職員は解雇されています。

館長の歴史

パリ日本館の歴代戦長には、初代のセルゲイ・エリセーエフ以降、多くの著名な人物が名を連ねています。彼らの中には、後に著書を発表した館長もおり、多様な文化交流に寄与してきました。

現在もパリ日本館は、日本人留学生や研究者、芸術家が集う場として、多くの文化的活動の拠点となっています。若者たちが国際的な学びと経験を深める貴重な環境を提供し続けています。

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