パルディオ611S

パルディオ611Sは、シャープによって開発され、NTTドコモのPHS部門から発売されたPHS端末です。1998年12月、NTTパーソナルから事業譲渡を受けたNTTドコモが初めて発売した端末として登場しました。この端末は、1998年12月から開始された64k通信試験モニタに参加し、翌1999年3月に本格開始したPHS初の64k通信サービスに対応した最初の端末となりました。

デザインと特徴

パルディオ611Sは、NTTパーソナル時代に発売されたパルディオ341Sとほぼ同じデザインを採用しており、フリップ部分にCF（コンパクトフラッシュ）のType-I端子を搭載している点が大きな特徴です。このCF端子のおかげで、対応する端末であれば、蓋を取り外すだけで本体のみで通信が可能でした。特にノートパソコンなどでは、付属のPCカードアダプタを使用することで、別途通信ケーブルを購入することなくデータ通信が可能となり、利便性が向上しました。さらに、PCから充電しながら通信を行ったり、CFスロットから電源供給を受けて充電したりすることも可能でした。購入当初は32k通信のみに対応していましたが、ファームウェアをダウンロードしてバージョンアップすることで64k通信に対応しました。

スペック詳細

形状: フリップ式
サイズ: 幅47.2mm×高さ114mm×奥行23.2mm
重量: 112g
連続通話時間: 約450分
連続待受時間: 約600時間
ディスプレイ: モノクロ
カメラ: なし
外部メモリー: なし
カラー: シルバー
着信音: 電子ブザー単音、またはフレックス録音（通話録音、留守応答、留守録音と共用）

歴史

パルディオ611Sは、1998年10月12日に電気通信端末機器審査協会（JATE）を通過し、同年12月に発売が開始されました。64k通信に対応した最初の端末ということもあり、その後のPHSの進化に大きく貢献しました。後継機種が登場しなかったこともあり、この機種には根強い人気がありました。特に、CF端子による拡張性やPCとの連携機能は、当時としては画期的であり、ビジネスシーンでの利用にも適していました。また、フレックス録音機能は、通話録音だけでなく留守応答や留守録音にも利用できるという多機能性が評価されました。このように、パルディオ611Sは、当時のPHS端末の中では、先進的な機能と使いやすさを兼ね備えた一台として、多くのユーザーに支持された端末でした。

関連情報

* WindowsCE FAN: 外部リンクへのリンク

もう一度検索