パンチョ・ヴラディゲロフ

パンチョ・ヴラディゲロフ（1899年 - 1978年）は、ブルガリアの作曲家、音楽教師、ピアニストとして、ブルガリア音楽史に名を刻んでいます。彼はブルガリア作曲界の第2世代に属し、ブルガリア現代音楽協会の創立メンバーでもありました。

生涯

ヴラディゲロフは、1899年にスイスのチューリヒで生まれ、ブルガリアのシュメンで育ちました。幼い頃から音楽の才能を発揮し、10歳で作曲を学び始めました。父親の急死後、母親と共にベルリンに移り、ベルリン高等音楽学校で作曲とピアノを学びました。その後、プロイセン芸術アカデミーでさらに研鑽を積み、メンデルスゾーン賞を2度受賞しています。

1920年から1935年まで、ヴラディゲロフはベルリン・ドイツ劇場の座付き作曲家兼ピアニストとして活躍しました。帰国後はソフィアのブルガリア国立音楽院で教鞭をとり、1940年にはピアノ科教授に就任。彼の死後、この音楽学校はヴラディゲロフ音楽院と改称され、その功績が讃えられています。

作品

ヴラディゲロフは、歌劇、バレエ音楽、ピアノ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲、管弦楽曲、室内楽曲、ピアノ曲、歌曲、合唱曲、劇付随音楽など、幅広いジャンルにわたる作品を残しました。また、ブルガリア民謡の編曲も数多く手がけています。

彼の作品は、ウニヴェルザール出版社から出版され、ドイツ・グラモフォン社から録音されたことで、世界的に知られるようになりました。ヨーロッパやアメリカで彼の作品が上演され、1969年にはヘルダー賞を受賞しています。

代表作としては、ブルガリア狂詩曲《ヴァルダル》が挙げられます。この作品は、ブルガリア音楽の重要な作品とみなされています。

遺産

ヴラディゲロフの音楽は、今日でも多くの人々に愛されています。彼の音楽院は、ブルガリアの音楽教育の中心地として機能しており、彼の名を冠した国際コンクールも開催されています。ソフィアにある彼の自宅は博物館として公開されており、彼の生涯と作品に触れることができます。

彼の音楽的才能は息子のアレクサンダル、孫のパンチョ2世とアレクサンダル2世、コンスタンチンに受け継がれ、それぞれ音楽家として活躍しています。パンチョ2世は、パンチョ・ヴラディゲロフ知的財産基金を設立し、彼の音楽的遺産の保護と普及に尽力しています。

マルク＝アンドレ・アムランもヴラディゲロフの作品をレパートリーに取り入れており、彼の音楽は今もなお世界中で演奏され続けています。

ヴラディゲロフは、ブルガリア音楽の発展に大きく貢献した作曲家であり、彼の音楽は今後も長く人々に愛され続けるでしょう。

また、パンチョ・ヴラディゲロフ国際作曲コンクールも開催されています。

もう一度検索