パーシス・カンバッタ

パーシス・カンバッタ

パーシス・カンバッタ（1948年 - 1998年）は、インドの著名なモデル、女優、作家として知られています。特に1979年の映画『スタートレック』におけるアイリーア大尉役で広く認識されています。彼女のキャリアは、独特な魅力と才能によって、インドとハリウッドの両方で多くのファンを魅了しました。

生い立ち

1948年にボンベイ（現在のムンバイ）で生まれたカンバッタは、パールシー教徒の中流家庭で育ちました。彼女の美しさは早くから注目を浴び、偶然に撮影された写真が人気の石鹸ブランドの広告に使われたことがきっかけで、モデルとしての道が開かれました。また、1965年にはフェミーナ・ミス・インディアに選ばれるなど、モデル業界での成功が始まりました。

キャリアの初期

パーシスは17歳のとき、ミス・ユニバース大会に出場し、その際には急遽購入した既製服を着用しました。この経験を通じて、彼女はレブロンなどの有名ブランドのモデルを務めることに。1967年にはボリウッド映画『Bambai Raat Ki Bahon Mein』で映画デビューを果たし、キャバレー歌手リリー役を演じる形で映画界に足を踏み入れました。1975年にはイギリス映画『軍旗の陰影』や『ケープタウン』で端役に出演しました。

『スタートレック』とその後

1979年、彼女のキャリアにおいて最も重要な転機が訪れます。映画『スタートレック』において、頭髪のないデルタ人の航宙士アイリーア大尉を演じ、その演技は多くの人に感動を与えました。彼女はこの作品でアカデミー賞の贈呈者を務めたインド人初の女優としても知られ、サターン賞の主演女優賞にノミネートされました。その後も『ナイトホークス』や『メガフォース』といった映画に出演し、活躍の場を広げました。

プライベートと病気

1980年にはドイツでの自動車事故で重傷を負い、頭部に大きな傷跡が残ることとなります。さらに1983年には心臓のバイパス手術を受けるなど、彼女の健康には多くの試練がありました。それでも、1985年にはボンベイに戻り、ヒンディー語テレビ映画『Shingora』に出演。再びハリウッドに戻った彼女は、『刑事ハンター』や『冒険野郎マクガイバー』などのシリーズにもゲスト出演しました。

作品と最期

1997年には元ミス・インディアたちとの豪華本『Pride of India』を執筆・出版し、この作品はマザー・テレサに捧げられることにもなりました。1993年にはテレビシリーズ『新スーパーマン』のパイロット版に出演しましたが、それが彼女の最後のスクリーン出演となりました。

カンバッタは1998年に心筋梗塞により49歳で急逝。ムンバイでの葬儀は多くの人々の涙を誘いました。彼女の作品と記憶は、今なお多くのファンの心に生き続けています。

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