ヒュンダイ・スタレックス

現代自動車 スタレックス：韓国を代表する多目的車の軌跡

現代自動車が製造・販売していた多目的車(MPV)であるスタレックス(STAREX)は、韓国で長年に渡り親しまれてきたモデルです。トラック仕様はリベロとして展開され、多様なニーズに対応する車種として高い人気を誇りました。本稿では、スタレックスの初代と2代目モデルについて、その歴史と特徴を詳しく解説します。

初代スタレックス（A1型、1997年-2015年）

1997年、ジュネーヴモーターショーでデビューした初代スタレックスは、10人乗りまたは12人乗りをラインナップ。三菱デリカスペースギアをデザインベースとし、2.5L SOHC 8バルブディーゼルターボエンジンを搭載していました。最高出力は85hp、最大トルクは170Nmでした。安全装備としてABSやLSDが用意され、4速オートマチックトランスミッション、パーキングセンサー、運転席エアバッグはオプションとして選択可能でした。

その後、マイナーチェンジを経て、フロントグリルが刷新され、エンジンも2.5L DOHC 16バルブコモンレール式直噴ターボディーゼルエンジンへと進化。最高出力は145hp、最大トルクは360Nmに向上しました。

2代目スタレックス（TQ型、2007年-2021年）

2007年、ソウルモーターショーで発表された2代目スタレックスは、現代自動車による自社開発モデルとなりました。ディーゼルモデルは同年8月、ガソリンモデルは同年11月に生産開始。乗用モデルと商用モデルが設定され、乗用モデルは8、9、11、12人乗り、商用モデルは2、3、5、6人乗りというバリエーションを展開していました。韓国国内では「グランド・スタレックス(그랜드 스타렉스)」の名称で販売されました。

海外展開も積極的に行われ、メキシコではクライスラー・デ・メヒコとの販売契約に基づき、当初はダッジH-100バン/ワゴン、後にラムH-100バン/ワゴンとして販売されました。しかし、2013年にラム・プロマスターが導入されたことで、販売は終了しました。

搭載エンジンは地域によって異なり、韓国と欧州市場向けには、最高出力170ps、最大トルク40.0kg-mの2.5L可変ジオメトリーターボチャージャーディーゼルターボエンジンと、最高出力170ps、最大トルク22.8kg-mの2.4L[ガソリンエンジン]が搭載されました。その他市場では、最高出力100ps、最大トルク23.0kg-mの4D56型ディーゼルターボエンジンを搭載したモデルも存在しました。トランスミッションは4AT、5AT、5MTが用意されました。

最上級モデルには、レザーシート、オーバーヘッドコンソール、イモビライザーが標準装備され、アルミニウムフィニッシャー、分割可倒式シート、キーレスエントリー、エアコン、6スピーカーDVDプレーヤーなどの快適装備も充実していました。

2017年12月には、フロントマスクを大幅に改良した「ザ・ニュー　グランドスタレックス」が登場。しかし、2021年4月、後継車種であるスターリアの登場に伴い、販売を終了しました。

グローバル展開と車名

[アジア]、オセアニア、欧州市場では、輸出名としてH1、オランダではH-200、オーストラリアではアイマックス(iMAX)、中国ではRefine（瑞風）の名称で販売されました。

関連車種

ヒュンダイ・リベロ
三菱・デリカスペースギア
* ヒュンダイ・スターリア

スタレックスは、現代自動車のMPVとして長年に渡り、高い人気を博しました。その歴史と多様なバリエーションは、現代自動車の技術力と市場への対応力の高さを示すものと言えるでしょう。

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