ヒュンダイ・i20

現代自動車i20：世界で活躍するコンパクトカー

[現代自動車]が製造するi20は、欧州市場を中心に販売されているBセグメント級のサブコンパクトカーです。インドのチェンナイ工場で生産され、世界各国へ輸出されています。日本市場への導入も検討されましたが、現代自動車の日本市場からの撤退により実現しませんでした。しかし、WRC（世界ラリー選手権）への参戦を通じて、その高い性能と知名度を世界に知らしめています。

初代i20 (PB型、2008年-2014年)

初代i20は、3ドアと5ドアハッチバックの2種類のボディタイプで展開されました。2008年、パリとジュネーブのモーターショーでそれぞれ初公開され、インドでは同年12月に発売開始。キア・ソウルと共通のプラットフォームを採用し、1.2L、1.4Lガソリンエンジン、1.4Lディーゼルエンジンを搭載。トランスミッションは5速MTと4速ATが用意されました。ユーロNCAPでは最高評価の5つ星を獲得するなど、高い安全性能も備えていました。2012年にはフェイスリフトを行い、現代自動車の新しいデザイン言語である「ヘキサゴナルグリル」を採用。パワートレインも改良され、1.1Lディーゼルエンジンが追加されました。

2014年、現代自動車はWRCに11年ぶりに復帰。i20の3ドアハッチバックをベースにしたWRカーを投入しました。開幕戦は苦戦しましたが、その後は活躍を見せ、ラリー・ドイチュラントで初優勝を飾るなど、WRCでの成功を収めました。このWRC参戦はi20の知名度向上に大きく貢献しました。

2代目i20 (GB/IB型、2014年-2020年)

2014年にはフルモデルチェンジを行い、2代目i20が登場。初代よりも洗練されたデザインとなり、当初は5ドアハッチバックのみでしたが、後に3ドアクーペモデルとクロスオーバーモデル「アクティブ」も追加されました。2016年には、WRC参戦用の「i20 WRC」も発表され、更なる活躍の場を広げました。インド市場向けにはコストを抑えた「エリートi20」も販売されました。2018年には5ドアとアクティブのフェイスリフトモデルが発表されています。

3代目i20 (BC3型、2020年-)

2020年、現代自動車の新しいデザイン哲学「Sensuous Sportiness」に基づいた3代目i20が発表されました。5ドアハッチバックが最初に発売され、アクティブも発売予定です。3ドアモデルは市場の需要低迷により廃止となりました。先進的な装備として、10.25インチのLCD計器板とタッチスクリーンをオプションで選択可能。パワートレインは1.0Lターボ、1.2Lガソリンエンジンに48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載したモデル、1.5Lディーゼルエンジンモデル、そしてスポーティな「N LINE」もラインナップに加わりました。2021年には、高性能モデル「i20 N」も発売される予定です。

日本におけるi20

日本市場では、i20は公式に販売されていません。しかし、WRCで活躍するi20クーペWRCの存在や、そのミニ四駆化などを通じて、その存在は日本の自動車ファンにも知られています。i20は、日本未発売ながら、世界的な人気と高い性能を持つ現代自動車の代表的なモデルと言えるでしょう。将来的に日本市場への導入の可能性は低いものの、WRCなどのモータースポーツシーンを通じて、その存在感はますます高まっています。

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