ヒルズファー

ヒルズファー（Hillsfar）

『ヒルズファー』は、1989年にIBM PC、Amiga、Atari ST、コモドール64向けにリリースされたアクションRPGです。開発はWestwood Associates、発売はStrategic Simulations, Inc.（SSI）が担当しました。1991年にはファミリーコンピュータ（FC）版も発売されています。

ゲーム概要

本作は、リアルタイムのアクション要素と、クエストをこなしていくアドベンチャー要素を組み合わせた点が特徴です。また、テーブルトークRPG『アドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズ』（AD&D）の標準的なゲーム要素も取り入れられています。

ゲームプレイ

ゲーム開始時に、プレイヤーはキャラクターを作成またはインポートします。キャラクター作成では、種族（ドワーフ、エルフ、ノーム、ハーフエルフ、ハーフリング、人間）、役割（僧侶、戦士、魔法使い、盗賊）、属性を選択します。キャラクターの能力値はランダムに決定されます。

ゲームは、都市近郊の移動、ヒルズファー市街、建物内部の3つのモードで構成されています。都市近郊の移動はサイドビュー、ヒルズファー市街は鳥瞰図と一人称視点、建物内部はトップビューで表示されます。

特徴的なのは、オブジェクトへのインタラクション方法です。プレイヤーはオブジェクトに「体当たり」することで、インタラクションを開始します。このシステムは、Compute! 誌のLeslie Eiserによって「体当たりインターフェイス」と表現されました。

ゲームには、宝探しやロケーション間の移動などをミニゲームとして行うアクションゲームの側面と、クエストをこなしていくアドベンチャーゲームの側面があります。クエストの内容は選択した役割によって異なり、役割ごとに3つのクエストが存在します。クエストは決まった順序で達成する必要があるものの、それ以外の時間は自由にゲームを探索できます。

筋立て

舞台は、フォーゴトン・レルムにある架空の都市ヒルズファーです。都市には役割ごとにギルドが存在し、プレイヤーはキャラクター作成時に選択した役割に応じて、対応するギルドマスターの元へ向かいます。ギルドマスターから与えられたミッションをすべて完了すると、報酬としてお金と経験値を得て、キャラクターの冒険は終了します。

評価

『ヒルズファー』は商業的には成功を収め、78,418本を売り上げましたが、評価は賛否両論に分かれました。

肯定的な評価としては、アクションゲームとアドベンチャーゲームを組み合わせた点が挙げられます。Amiga Format 誌のAndy Smithは、本作を「まったく異なる2つのスタイルを見事に混ぜ合わせた素晴らしいゲーム」と評しました。Compute! 誌のBob Guerraは、アーケードスタイルのシーケンスを称賛しています。

一方で、否定的な評価も存在します。Computer Gaming World 誌のRoe Adamsは、盗賊の鍵開けシーケンスは高く評価したものの、それ以外は期待外れだと指摘しました。特に、移動のたびに行われる乗馬ゲームや、魔法使いと僧侶がゲーム内で魔法を全く使えない点を批判しています。

ファミコン版は、さらに厳しい評価を受けています。VideoGames & Computer Entertainment 誌のBrent Walkerは、「プレイ時間の大部分が金集めと鍵開けに費やされ、冒険や戦略を要求されることはほとんどない」と酷評しました。

GameSpyによると、多数のプレイヤーが『ヒルズファー』を「失敗に終わった実験作」と見なしています。

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