ヒーローズレーシング

ヒーローズレーシングの歴史

ヒーローズレーシングは、1970年代から1990年代にかけて活躍した日本のレーシングチームである。元レーシングドライバーの田中弘が代表と監督を務め、全日本F2や全日本F3000などに参加して数多くの栄光を手に入れた。チームは、星野一義や中嶋悟といったトップドライバーを擁していたことで知られ、「日本最強のレーシングチーム」と称された。

チームの設立と初期の活動

1971年、田中弘は日本トランペット（現・日本電音）の社長である父の支援を受け、ヒーローズレーシングを立ち上げた。1972年に有限会社ヒーローズレーシングコーポレーションを設立し、国内のレース活動を本格化させた。1973年には、現役ドライバーとしてのキャリアを終え、監督業に専念することとなった。

全日本F2での栄光

ヒーローズレーシングは、1976年に星野一義が加入したことでその名を広げる。1976年には前年のJAFグランプリを制し、シリーズチャンピオンを獲得。1977年には中嶋悟が加わり、2台体制でF2000や富士GCに参戦した。しかし、1978年には中嶋がチームを離れ、以降のシーズンでは星野がF1日本GPにコジマ・KE009で参戦するなど、チームは個々のドライバーの才能を活かす形で成長を遂げた。

1983年には、チーム運営に変化が訪れ、星野が離脱したことにより高橋徹がエースとして活躍。しかし、同年の富士GCの最終戦での悲劇的な事故が起こり、高橋は命を落とした。この出来事はチームにとって大きな痛手となったが、1984年からは中嶋悟が帰還し、中嶋企画との提携による「ヒーローズレーシング with ナカジマ」として全日本F2に参戦し、3連覇を達成した。

最盛期とその後

ヒーローズレーシングは1980年代末から1990年代にかけても活躍を続け、片山右京が1991年に全日本F3000でチャンピオンに輝くまでに成長した。しかし、1995年にはメインスポンサーであるCABINの撤退により、レース活動を停止せざるを得なくなった。翌年、鈴木亜久里が設立した新チーム・SUPER AGURIへのジョイントが決まり、田中はその監督を担当した。

終焉と影響

ヒーローズレーシングはその後、法人として休眠状態に入り、2008年には有限会社ヒーローズレーシングコーポレーションを解散するに至った。彼らが在籍したドライバーたちは、日本のモータースポーツ界において重要な役割を果たし、それぞれが成功を収めた。また、ヒーローズレーシングをはじめとする日本のレーシングチームの発展が、国内モータースポーツの基盤を築くことに寄与した。

在籍していた主なドライバー

ヒーローズレーシングには、以下のような多くの才能あるドライバーが在籍していた：

• - 中野雅晴
• - 黒澤元治
• - 北野元
• - 長坂尚樹
• - 星野一義（1976年-1982年）
• - 中嶋悟（1977年-1978年、1984年-1986年）
• - 鈴木利男（1979年-1982年、1987年、1989年）
• - 高橋徹（1983年）
• - 森本晃生（1988年）
• - 片山右京（1990年-1991年）
• - 黒澤琢弥（1992年-1993年）
• - 金石勝智（1993年-1995年）

ヒーローズレーシングは、輝かしい歴史を持つ一方で、激しい競争にさらされ続けた日本のモータースポーツ界での重要な存在であった。

もう一度検索