中嶋企画

有限会社中嶋企画

有限会社中嶋企画（Nakajima Planning Co., Ltd.）は、元レーシングドライバー中嶋悟によって設立された日本の企業です。この会社は、彼が代表を務めるレーシングチーム「NAKAJIMA RACING」の運営母体でもあります。中嶋企画は、レース関係者の間では「中企（ナカキ）」という愛称で親しまれています。

設立の背景

この会社は、1983年に設立されました。その背景には、1982年のシーズン終了後の出来事がありました。それまで中嶋が所属していたi&iレーシング／チームイクザワでのヨーロッパF2参戦が途中で中止となり、中嶋は「人に頼っていては目標が実現しない」という思いを抱くようになりました。このことから、自分自身のレース活動の拠点を作る必要があると判断し、「中嶋企画」の設立に踏み切ったのです。

設立当初、中嶋はほとんど資金がなく、自己資金で全てをやり直す必要がありました。そのため、1983年のシーズンではハラダレーシングに移籍し、破格の契約金を得ることで資金繰りを行い、企業設立の土台を固めることができました。これは中嶋にとって「お金のために身を売ったのはこの時が初めて」であり、その経験が今につながる基盤ともなっています。

活動の展開

1983年のシーズンオフには、自動車雑誌『LE VOLANT』の編集者であった福田直道をマネージャーに迎え入れ、東京に事務所を開設します。同時に、ヒーローズレーシングとの画期的な契約を結び、「ヒーローズレーシング with ナカジマ」の体制で全日本F2選手権への参戦を決定。中嶋の活躍により、連続でF2チャンピオンを獲得するなど、数々の成果を収めました。

1987年からは、ロータスからF1に参戦しつつ、国内では全日本F3000選手権や全日本ツーリングカー選手権に参加。また、1991年には現役を引退し、チーム監督としての役割に移行しました。以降も若手ドライバーの育成に力を入れ、高木虎之介や松田次生など、数多くの才能あるドライバーを育てています。

チームの発展

1997年には、ティレルとの提携が実現し、中嶋がスポーティング・ディレクターに就任。高木虎之介がテストドライバーとしてテストを行いましたが、提携は続かなかったものの、その後も多くのレーシングドライバーに好意的に受け入れられる環境を整えました。

2011年には中嶋の二男がチームに参加し、兄も所属ドライバーになりました。さらに、2023年には中嶋が70歳を迎えることで肩書きを「総監督」に変更し、現場の指揮を新たに伊沢拓也に託しました。

主なマシンと技術

中嶋企画は、国内GTシリーズでGT500クラスに参戦し、多くの成功を収めています。特に、1998年から参加した「Mobil 1 NSX」は、GT500クラスでの最多勝記録を有し、様々な年での優勝を果たしています。また、2004年以後は新たな車両「EPSON NSX-Concept GT」も展開され、近年では「Modulo NSX-GT」としてさらなる挑戦を続けています。

現在のスポンサー

現在、中嶋企画はエプソン販売やホンダ、ダンロップなどの大手企業からの支援を受けながら、レーシング活動を展開しています。これらのスポンサーとの連携は、中嶋企画の成長と発展に欠かせない要素となっています。

中嶋企画は、確固たるレースチームとして、今後も新たな挑戦を続けていくことでしょう。

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