ビック・ウィリス

ビック・ウィリスのプロフィールと野球経歴

ビック・ウィリス（Victor Gazaway 'Vic' Willis）は、1876年4月12日、アメリカ合衆国メリーランド州セシルカウンティに生まれました。彼は右投右打の投手として、プロ野球界に名を刻む存在となりました。ウィリスは、ボストン・ビーンイーターズ（現アトランタ・ブレーブス）で主力投手として活躍し、13年間で249勝を挙げました。

経歴の始まり

ウィリスのプロ野球キャリアは、1897年にイースタンリーグのシラキュース球団からボストン・ビーンイーターズに移籍したことから始まります。彼は翌年にメジャーデビューを果たし、身長6フィート2インチ（約189cm）を生かした速球と、鋭い変化球であったドロップを武器にして、初年度から見事な成績を残しました。1898年のシーズンでは、25勝13敗、防御率2.84という成績を残しました。

1899年は特に素晴らしい年で、彼は27勝8敗の記録を達成し、防御率2.50でリーグトップとなりました。また、この年に彼はワシントン・セネタース戦で無安打試合を達成し、完封勝利も5試合挙げてリーグ最多となりました。これは彼のキャリアの中でも傑出した成果の一つです。

ボストン時代の活躍

1900年代初頭、ウィリスはボストンのエースとして君臨し、毎年300イニング以上を投げ込む能力を示しました。特に1902年には、51試合に登板し、45試合で完投、27勝を挙げるという驚異的な数字を記録しました。この年の投球回数は410イニングに達し、225三振を奪取したことでリーグ最多となりました。

しかし、彼のキャリアには苦しい時期もあり、1904年と1905年にはそれぞれ25敗、29敗を記録し、特に1905年の29敗は20世紀以降のワースト記録とされています。

パイレーツ時代

1906年、新天地としてピッツバーグ・パイレーツに移籍しました。移籍後の彼は4年連続で20勝以上を記録し、一定の成功を収めます。中でも1909年は彼にとって特別な年で、ワールドシリーズに出場することができましたが、残念ながら2試合での成績は振るわず、10安打を許し、6失点を喫する結果となりました。

引退後の生活

その後、1910年にセントルイス・カージナルスに移籍した後、メジャーリーグでのキャリアを終えました。引退後のウィリスはニューアークでホテルを経営したほか、大学やセミプロチームの指導にも関わりました。1947年、彼はメリーランド州で心臓発作により亡くなりました。1995年にはベテランズ委員会によってアメリカ野球殿堂に選出されています。

統計と記録

ウィリスのキャリア通算成績は、531試合で249勝205敗、防御率2.63です。また、打撃においては1493打数で248安打、本塁打1本、打点84という成績を持っています。1899年には最優秀防御率に輝き、1902年には最多奪三振と最多セーブ投手のタイトルも獲得しました。彼の名声は、歴史に残る名投手として今なお語り継がれており、野球のファンに強い印象を与え続けています。

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