ビッグアーサー

ビッグアーサー：天才スプリンターの軌跡

2011年3月18日生まれのビッグアーサーは、日本の競走馬界にその名を刻んだサラブレッドです。持ち前のスピードと勝負強さで数々のレースを制覇し、多くのファンを魅了しました。2016年には、GIレースである高松宮記念と重賞レースであるセントウルステークスを制するという偉業を達成しています。その華々しい競走生活と、引退後の種牡馬としての成功までを振り返ってみましょう。

圧倒的な強さで駆け抜けた若き日々

3歳（2014年）のデビュー戦は福島芝1200mの未勝利戦でした。レース経験馬を相手に2馬身半差という圧勝劇で初勝利を飾ります。その後、輸送中の怪我により長期休養を余儀なくされますが、10ヶ月の休養明けの復帰戦から3連勝を記録。淀屋橋ステークスでは落鉄というアクシデントを乗り越えて勝利し、水無月ステークスでは重賞勝ち馬2頭を相手に快勝。5連勝という輝かしいスタートを切りました。
オープン入り初戦となる北九州記念では2着と惜しくも初黒星を喫しますが、続くオパールステークスでは1.7倍という圧倒的な支持に応え、3馬身差の圧勝で6勝目を挙げます。京阪杯では惜しくも2着、阪神カップでは3着と、初めて連対を外れる結果となりましたが、その実力は既に証明されていました。

GI制覇と重賞連勝：頂点への挑戦

5歳（2016年）シーズン、ビッグアーサーはGIレース高松宮記念に挑戦します。ミルコ・デムーロ騎手、そしてGI初制覇を目指す福永祐一騎手と強力な布陣で挑んだレースでは、1番人気に応え、コースレコードとなる1分06秒7で圧勝。見事GI制覇を成し遂げます。これは、調教師である藤岡健一氏にとっても初のGI制覇となりました。
続く秋初戦のセントウルステークスでも逃げ切り勝ちを収め、重賞2勝目を獲得。スプリンターズステークスでは1.8倍の圧倒的1番人気に推されましたが、12着と大敗を喫しました。続く香港スプリントにも挑戦しましたが、10着と振るわず、この年は2戦連続で惨敗という結果に終わりました。

種牡馬としての成功

6歳シーズンは、左前脚の怪我により高松宮記念を回避。その後も怪我の影響でセントウルステークスも回避となり、スプリンターズステークスに8番人気で出走しましたが6着に終わりました。そして、2017年10月6日付で競走馬登録を抹消。アロースタッドで種牡馬としてのキャリアをスタートさせます。
2018年から種牡馬として活躍を始め、初年度産駒は126頭と多くの産駒が登録されました。2021年には産駒のウインモナークが初勝利を挙げ、その後も産駒の活躍が目覚ましく、2023年には種付け料が150万円（前年比50万円増）に、2024年には300万円にまで引き上げられました。トウシンマカオ、ブトンドール、ビッグシーザーなど、数々の重賞優勝馬を輩出するなど、種牡馬としても大きな成功を収めています。

血統と家族

ビッグアーサーの半弟には、セキフウ（父ヘニーヒューズ）がおり、2021年兵庫ジュニアグランプリ、2023年エルムステークスを優勝するなど活躍しています。

ビッグアーサーは、競走馬としてだけでなく、種牡馬としても成功を収めた、まさに日本の競走馬界のレジェンドと言える存在です。その輝かしい功績は、長く人々の記憶に刻まれ続けることでしょう。

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