ビバ・ウエスト

ビバ・ウエスト (VIVA WEST)

ビバ・ウエストは、1989年から1999年にわたって西日本旅客鉄道（JR西日本）が運行していた特別仕様の気動車、いわゆるジョイフルトレインです。この車両は、特にリゾート地へのアクセスを考慮して改造され、旅行の楽しさを引き立てるために設計されています。

概要

この車両は「リゾートサルーン・フェスタ」に続いて、JR西日本広島支社のために開発されました。元となったのはキハ58系気動車で、幡生車両所（現在は下関総合車両所本所）で改造が施されています。イメージとしては、旅行者にリラックスした時間を提供するため、新たな形状と快適性を実現しています。

編成

ビバ・ウエストは、2両編成で構成されており、それぞれの車両は以下のような配置になっています。

• - キハ59 501（旧車両番号：キハ58 176）
• - キハ29 501（旧車両番号：キハ28 2132）

両車両とも定員は52名で、普通車扱いの仕様です。

構造

車体

車両の前面は特異なデザインで、非貫通の「く」の字型になっており、助士席側には大型の窓が設けられています。この設計により、前方の景色を楽しむことができ、旅行の醍醐味を引き立てています。また、前面中央にはヘッドサインが配置されており、新しいデザインの前照灯と尾灯が取り付けられています。前面下部は装飾的なスカートで仕上げられ、全体の美観を保っています。

車両側面には、特別に設計された連続した大きな窓が5枚取り付けられ、視界を一層広げています。出入口は改装前と同じく前後に二つ設けられています。

外観の塗装は、アイボリーホワイトを基調とし、車体の最下部にはスカイブルーとピンクのツートンカラーの帯が引かれています。さらに、側面の窓間は青色に塗装され、全体を引き締めて見せています。

車内

車内の座席は、特急形電車に使用されていた簡易リクライニングシートが改良されたもので、利用者が快適に過ごせるように設計されています。背もたれは自由に角度を調節でき、座面と背もたれはバケット式に改められています。さらに、肘掛け部分には回転式テーブルが取り付けられ、便利さも考慮されています。

客室の前後にはモニターテレビが設置されており、運転室の前方の映像を映し出すことができます。照明は従来の蛍光灯にグローブが付けられ、落ち着いた雰囲気を演出しています。また、窓には横引きカーテンが取り付けられており、プライバシーの確保にも配慮されています。

車両の後位寄りにはフリーゾーンが設けられ、カラオケ装置やソファが置かれ、旅の楽しむためのスペースが提供されています。

台車・機器

台車や走行機器は改造されておらず、DT22C形台車を使用し、エンジンもDMH17Hのままとなっています。冷房装置も従来のAU13A形を使用し、キハ29形の発電用エンジンで電源を供給しています。

運用

ビバ・ウエストは1989年7月20日に落成し、小郡運転区に配備されました。同年の7月25日には津和野 - 長門市間の臨時快速列車「ブルーライナー」として運行を開始しました。その後、主に団体客や多客の臨時列車として利用されましたが、1999年3月に廃車となりました。

参考文献

• - 交友社『鉄道ファン』1989年10月号（通巻342号）p.72 JR西日本 ビバ・ウエスト登場

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