ビビ・ベッシュ

ビビ・ベッシュ：類まれな才能と幅広いキャリアを持つ女優

ビビ・ベッシュ（1940年2月1日 - 1996年9月7日、本名：Bibiana Besch）は、オーストリア・ウィーン出身のアメリカ合衆国を代表する女優です。第二次世界大戦中に女優として活躍した母グスティ・フーバーと共に、1940年代半ばにオーストリアからアメリカに移住しました。ニューヨーク州で継父であるアメリカ陸軍元大尉、ラジオ局経営者と暮らす中で、幼少期を過ごしました。

ベッシュの女優としてのキャリアは、ソープオペラからのスタートでした。地道な活動を重ねる中で、徐々に知名度を高め、『ホワイトハウス』（1979年）などのプライムタイムドラマにも出演するようになりました。彼女の演技力は高く評価され、数々の作品に出演する機会を得ました。

ベッシュは、常に多様な役柄を演じ分けました。大ヒット映画『マグノリアの花たち』（1989年）では嫌われ者のベル・マーミリオン役を演じ、観客に強い印象を与えました。また、『トレマーズ』（1990年）では博士役を熱演するなど、脇役や端役も決して疎かにせず、どの役にも丁寧に向き合う姿勢が彼女の演技の質の高さを示しています。

特に有名な役柄の一つに、『スタートレックII カーンの逆襲』（1982年）でのキャロル・マーカス博士役が挙げられます。ジェームズ・カーク船長の元恋人であり、デビッド・マーカス博士の母親という重要な役どころを、ベッシュは見事に演じきりました。

テレビ映画にも数多く出演し、高い評価を得ています。『エンテベの勝利』（1976年）、ニコラス・メイヤー監督の『ザ・デイ・アフター』（1983年）、キャサリン・ヘプバーンと共演した『ミセス・デラフィールド・ウォンツ・トゥ・マリー』（1986年）など、様々な作品でベッシュは存在感を示しました。

ベッシュの演技力は高い評価を受け、1992年には『ジム・キャリーinロングウェイ・ホーム』での演技でエミー賞にノミネートされました。これは彼女にとって初めての演技賞ノミネートであり、その後の1993年には『たどりつけばアラスカ』でのゲスト出演で、エミー賞ゲスト女優賞（ドラマ部門）にもノミネートされるなど、輝かしい実績を残しました。

ベッシュは、1996年、乳癌により56歳でこの世を去りました。しかし、最期まで女優として活躍し続けました。『ER緊急救命室』（1996年）、『メルローズ・プレイス』（1996年）など、亡くなる直前まで精力的に活動していたことは、彼女の女優としての情熱と、揺るぎない意志の強さを物語っています。

ビビ・ベッシュは、ソープオペラから大作映画まで、幅広いジャンルで活躍した実力派女優でした。数々の名作に出演し、個性あふれる演技で多くの観客を魅了しました。彼女が残した作品群は、これからも多くの人々に感動を与え続けるでしょう。彼女の死は、映画界、そして多くのファンの心に深い悲しみを残しました。しかし、彼女の演技は、永遠に人々の記憶に刻み込まれることでしょう。

主な出演作品

映画
エンテベの勝利 (1976)
怒りの群れ (1977)
証言 (1978)
ハードコアの夜 (1979)
メテオ (1979)
オレゴンの黒い日 (1980)
戦慄!呪われた夜 (1982)
スタートレックII カーンの逆襲 (1982)
ザ・デイ・アフター (1983)
フーズ・ザット・ガール (1987)
彼が彼女にきがえたら (1987)
天使とデート (1987)
パーフェクト・ショット (1988)
もういちど殺して (1989)
マグノリアの花たち (1989)
トレマーズ (1990)
本日はお日柄も良く/ベッツィの結婚 (1990)
ジム・キャリーinロングウェイ・ホーム (1992)
ミ・ファミリア (1995)
ラトル・スネーク (1996)

テレビドラマ
ロス警察24時 (1976-1977)
ホワイト・ハウス (1979)
Dr. トラッパー (1982-1984)
ダイナスティ (1984)
ファルコン・クレスト (1985-1986)
女刑事キャグニー&レイシー (1984-1987)
ファミリータイズ (1988)
ジェシカおばさんの事件簿 (1988, 1994)
たどりつけばアラスカ (1992-1993)
絹の疑惑 シルク・ストーキング (1992-1994)
ER緊急救命室 (1996)
メルローズ・プレイス (1996)}

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