ビブロス (出版社)

株式会社ビブロス概要

株式会社ビブロス（BiBLOS Co., Ltd.）は1988年に日本の東京都新宿区で設立された出版社です。創業当初は青磁ビブロスという名称で活動しており、1997年に現在の社名に変更されました。ビブロスは、特に女性向けのやおい・ボーイズラブ（BL）系作品を数多く取り扱い、主に男性同性愛をテーマとした漫画雑誌や単行本、アンソロジー、小説の発行に力を入れていました。

1980年代後半から1990年代にかけて、日本の漫画市場では「美少年アニメ」が大変な人気を集めており、この流行の中でビブロスは迅速にやおい・BLのブームを拾い、商業出版の場でもその市場を切り開くことに成功しました。特に、旗艦誌である『MAGAZINE BE×BOY』は同社の象徴的な出版物であり、この雑誌は長年にわたり多くの読者から支持を受けてきました。

ビブロスはやおい・BL作品だけではなく、一般向けの書籍や写真集、さらにはアニメ雑誌『MEGU』や成人向け漫画雑誌『カラフルBee』、アダルトゲーム雑誌『Colorful PUREGIRL』など幅広いジャンルの出版物を手掛けました。その中で、B5判平綴じ雑誌の制作にも力を入れ、現在主流となっているフォーマットの先駆者としても知られていました。

2005年には「全国統一オタク検定試験」を実施し、オタク文化の普及にも貢献しましたが、2000年代の出版不況に伴って、やおい・BLの人気も一時的に下火となる中でも、ビブロス自身は堅調な業績を維持していました。しかし、2006年に内部でのトラブルが影響し、グループ会社である碧天舎が自己破産に追い込まれ、これが波及してビブロスも同様の措置を取ることとなりました。

4月5日には東京地方裁判所に自己破産の申請が行われ、その後会社は経営破綻に至りました。BL関連の事業はアニメイト等の出資による新会社、リブレ出版に引き継がれることとなり、ビブロスが発行していたいくつかの雑誌や書籍も新たな形で再スタートを切ることができました。ただし、ビブロスレーベルの作品の中には絶版となってしまったものもあり、一部は他の出版社に流出する結果となりました。

ビブロスの清算のおいて、後藤田ゆ花の『愛でしか作ってません』（講談社、2007年）がこの出来事を題材にした作品として紹介されています。

グループ会社

ビブロスにはいくつかのグループ会社が存在していました。

• - ビブロデザイン: 出版物のデザインやエディトリアルデザインを中心に手がけるデザイン事務所でしたが、最後には碧天舎へ吸収合併されました。
• - プラセット: ビブロスと同じ日付に自己破産を申請した会社です。
• - ハイランド: ボーイズラブ系アンソロジーを専門に発行していた出版社で、ビブロス同様に自己破産をしました。
• - ビブロポート: ダウンロード系同人ショップサイトを運営していた派生会社で、ビブロスの自己破産後も運営を続けていましたが、後に自己破産を申請しました。

発行物とその継承

経営破綻の際には、さまざまな発行誌や書籍が存在していました。特に、リブレ出版が引き継いだ主な作品には、『MAGAZINE BE×BOY』や『小説b-Boy』、および各種コミックスがあり、これらは新しい形で刊行されました。

ビブロスの歴史は日本の出版業界において重要な一ページを刻んでおり、その影響は今日のやおい・BLジャンルに多大なものとなっています。

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