ビホルダー (競走馬)

ビホルダー - アメリカ競馬史に輝く名牝

ビホルダーは、アメリカ合衆国で生産された競走馬、そして繁殖牝馬として、競馬史に名を刻んだ伝説的名馬です。現役時代には、類まれな強さを発揮し、2013年と2016年のブリーダーズカップ・ディスタフを含む、G1競走で11勝という輝かしい戦績を収めました。その卓越した能力から、エクリプス賞を4度受賞するなど、数々の栄誉に輝いています。ヘニーヒューズを父に持つ彼女は、ソングバードと共に、2010年代のアメリカ競馬を代表する名牝として広く知られています。

競走馬時代

2歳時（2012年）：デビュー戦こそ4着に終わりましたが、その後はめきめきと実力をつけ、GI競走初挑戦となったデルマーデビュータントステークスでは僅差で2着。続くブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズでは、リベンジを果たし、GI競走初制覇を成し遂げました。この活躍により、エクリプス賞最優秀2歳牝馬に選出されました。

3歳時（2013年）：3歳シーズンも勢いは衰えず、GI競走を連勝。ケンタッキーオークスでは惜しくも2着となりましたが、その後、ブリーダーズカップ・ディスタフではライバルたちを退け優勝、GI競走4勝目を挙げました。この年のエクリプス賞最優秀3歳牝馬にも選ばれ、2年連続のエクリプス賞受賞となりました。

4歳時（2014年）：シーズン序盤は圧勝劇を繰り返しましたが、ブリーダーズカップ・ディスタフは熱発のため回避。

5歳時（2015年）：再び圧倒的な強さで勝利を重ね、G1競走7勝目を達成。パシフィッククラシックステークスでは牡馬相手に圧勝。ゼニヤッタステークス3連覇も達成し、エクリプス賞最優秀古馬牝馬に輝きました。2歳から5歳まで4年連続でG1勝利という、米国史上初の偉業を達成しました。

6歳時（2016年）：6歳シーズンも、アドレーションステークス連覇、ヴァニティーマイルステークス制覇と快進撃を続けました。G1競走10勝目はジョンヘンリーと並ぶ北米タイ記録、2歳からの達成は史上初でした。しかし、連勝は8でストップ。最終的には、ブリーダーズカップ・ディスタフでソングバードとの死闘を制し、11勝目を挙げ、有終の美を飾りました。この歴史的な一騎打ちは、北米競馬史上に残る名勝負として語り継がれています。また、この勝利で、2年連続のエクリプス賞最優秀古馬牝馬、通算4度目のエクリプス賞受賞となりました。

繁殖牝馬時代

2017年からは繁殖牝馬として活躍。2018年には初仔となる牡馬を出産しました。2023年には、産駒のタマラがデルマーデビュータントステークスを制し、G1競走初制覇という快挙を達成しています。

功績と評価

ビホルダーの輝かしい功績は、アメリカ競馬界において高く評価され、ヴァニティーマイルステークスは「ビホルダーマイルステークス」に改名。さらに2022年には、アメリカ競馬名誉の殿堂博物館に殿堂馬として選定されました。その名は、アメリカ競馬史に永遠に刻まれることでしょう。彼女の競走馬としての圧倒的な強さ、そして繁殖牝馬としての成功は、後世の競馬界に多大な影響を与え続けるでしょう。

血統

ビホルダーの半兄には、キャッシュコールフューチュリティ勝ち馬のイントゥミスチーフ、半弟にはブリーダーズカップ・ジュヴェナイルターフおよびUAEダービー勝ち馬のメンデルスゾーンがいます。これらの近親馬たちも、高い競走能力を誇る名馬として知られています。ビホルダーの血統は、その卓越した能力の源泉と言えるでしょう。

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