ビリー&チャック

Billy and Chuck：WWEを騒然とさせたゲイ・タッグチーム

2001年、WWEで活躍していたビリー・ガンとチャック・パランボは、タッグチーム『Billy and Chuck』を結成しました。当初は普通のタッグチームとして活動していましたが、ストーリーが進むにつれて、彼らの関係性が次第に公になる展開に。

人気急上昇と世界タッグ王座獲得

二人の関係性が明らかになるにつれて、Billy and Chuckはゲイ・タッグチームとして注目を集めるようになりました。お揃いの衣装に、独特のストレッチで話題を呼び、人気は急上昇。2002年1月には、当時人気だった女性レスラー、トリー・ウィルソンとステイシー・キーブラーとの3ポーズ対決でさらに人気に火がつきました。その人気を背景に、2月には世界タッグチーム王座を獲得。そして、オカマのスタイリスト兼マネージャー、リコが加わり、さらに勢いを増していきます。レッスルマニア18では、見事王座を防衛。5月までその座を守り続けました。4月のドラフトでは、ビンス・マクマホン率いるスマックダウン所属となりました。

しかし、6月にはリコとリキシのタッグチームに王座を奪われます。すぐに奪還しますが、その後、ハルク・ホーガン＆エッジという強力なタッグチームの前に王座を明け渡すことになります。

衝撃の結婚式とチーム崩壊

9月、チャックがビリーに愛の告白。そして、翌週には結婚式が行われることに。ステファニー・マクマホンが立会い人として結婚式は執り行われましたが、そこにザ・ゴッドファーザーが乱入。なんと、ビリーとチャックはゲイという設定を演じていただけであり、実際は女性好きだったことを暴露してしまいます。結婚式はめちゃくちゃになり、その後、この結婚式はエリック・ビショフとリコによる策略だったことが明らかになります。ビショフは、ブランド対抗戦を激化させるため、リコを利用して結婚式をめちゃくちゃにする計画を立てていたのです。

ビリー＆チャックは、ビショフの用心棒であるスリー・ミニッツ・ワーニングとの抗争に巻き込まれ、PPV大会アンフォーギヴェンでは敗戦。その後もタッグを続けましたが、ビリー・ガンの負傷により、チームは解散しました。

メディアの反応と社会への影響

Billy and Chuckの同性愛をテーマにしたストーリー展開は、当時同性結婚が禁止されていたアメリカで大きな話題を呼びました。多くの新聞やニュースで取り上げられ、ゲイ・レズビアン協会であるGLAAD（中傷と闘うゲイ&レズビアン同盟）も注目していました。しかし、結婚式が台無しになったことにはGLAADも抗議する事態となりました。

Billy and Chuckは、WWEの歴史において、異色の存在として記憶されています。プロレスと社会問題を絡めた彼らのストーリーは、多くの議論を巻き起こし、現在でも語り継がれる伝説となっています。彼らが獲得したタイトルはWWEタッグ王座2回。入場曲は「You Look So Good To Me」でした。

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