ビル・ホール

ウィリアム・ホール：ユーティリティープレイヤーとしてMLBで活躍した男

ウィリアム・ホール（William Hall, 1979年12月28日 - ）は、アメリカ合衆国ミシシッピ州ネットルトン出身の元プロ野球選手。内野も外野もこなせるユーティリティープレイヤーとして、MLBで活躍しました。

プロ入りからブルワーズ時代

1998年のMLBドラフトでミルウォーキー・ブルワーズから6巡目指名を受け、プロ入り。マイナーリーグで着実に力をつけ、2001年にはA+級とAA級で好成績を挙げ、カリフォルニアリーグのオールスターに遊撃手として選出されるなど、将来を嘱望される存在となりました。

2002年9月1日にメジャーデビュー。翌日には初安打となる2点本塁打を放ち、その才能の片鱗を見せつけました。2004年にはメジャーで初のフルシーズンを過ごし、126試合に出場。2005年には、打率.291、17本塁打、18盗塁と好成績を収め、規定打席にも到達しました。この年、遊撃手、三塁手、二塁手として出場し、ユーティリティープレイヤーとしての地位を確立。対左投手や本拠地での試合で高い打率を記録するなど、得意な状況も多くありました。

2006年はJ.J.ハーディの離脱もあり、主に遊撃手として127試合に出場。本塁打と打点でチーム内二冠となるなど、打撃が爆発。チームMVPとグッド・ガイ賞を受賞しました。35本塁打のうち27本を遊撃手として放ち、これは遊撃手としては両リーグ最多であり、球団歴代2位の記録でした。シーズン終了後には、日米野球のアメリカ代表にも選ばれ、来日しました。

2007年には、運動能力の高さを買われて中堅手にコンバート。35二塁打はチーム最多を記録しました。しかし、シーズン後半に足首を捻挫し、打率が低下。シーズンオフには、アフリカ系アメリカ人の少年少女をニグロリーグ博物館に招待するなど、社会貢献活動にも熱心に取り組みました。

2008年は三塁手として113試合に出場。しかし、打撃成績は低迷し、トレードを志願する一幕もありました。2009年8月11日にDFAとなり、ブルワーズを去ることになりました。

マリナーズ、レッドソックス、アストロズ、ジャイアンツ時代

2009年8月20日にシアトル・マリナーズへ移籍。2010年にはボストン・レッドソックスへ移籍し、382打席で18本塁打を放つなど、打撃力をアピール。投手としても登板し、1回を3者凡退に抑えるという珍しい記録も残しました。その後、ヒューストン・アストロズ、サンフランシスコ・ジャイアンツと渡り歩きましたが、2011年6月4日にアストロズを解雇。

オリオールズ、独立リーグ時代

2012年にはボルチモア・オリオールズとマイナー契約を結び、メジャー昇格も果たしましたが、再びDFAとなります。2013年にはロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムと契約しましたが、AAAで不振のため解雇。その後、独立リーグのアトランティックリーグでプレーしました。

選手としての特徴と人物像

小柄ながらもバットスピードが速く、長打力が持ち味。確実性に欠ける面もありますが、当たれば固め打ちをする傾向がありました。特に左投手を苦手としていませんでした。運動能力が高く、ユーティリティープレイヤーとして様々なポジションをこなしました。音楽好きで、ヒップホップやリズム・アンド・ブルースを好んでいました。趣味はゴルフ、ビリヤード、ビデオゲーム。地域活動にも熱心で、リーダーシップを発揮し、グッド・ガイ賞を受賞するなど、人格者としても知られていました。

ウィリアム・ホールは、そのユーティリティー性と明るいキャラクターで、多くのファンに愛された選手でした。

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