ピクチャーエレメント

株式会社ピクチャーエレメントについて

株式会社ピクチャーエレメント（英名：Picture Element Inc.）は、日本のポストプロダクション業界で活動していた企業です。2011年に設立され、主に映画制作向けのVFX（視覚効果）やデジタル・インターミディエイトなどのサービスを提供していました。代表取締役の大屋哲男氏は、株式会社の経営を担い、東宝スタジオ内に位置する芸術科学センターを拠点に業務を展開していました。

特筆すべきは、同社が独自に開発した動画素材管理ツール「PE RUSH!」で、このツールは業界内での素材管理を効率化するために貢献していました。また、ピクチャーエレメントは2016年に映画『バクマン。』の制作において、VFX-JAPANアワードの実写映画部門で最優秀賞を受賞しています。これは、彼らの技術力を示す重要な成果と言えるでしょう。

2013年11月に、映画製作・配給会社の東宝と資本提携を結んだことも重要な出来事の一つです。東宝はピクチャーエレメントの株式の10%を取得し、これにより同社は安定した経営基盤を得ることを目指しました。しかし、残念ながらその後の経営は厳しさを増していきました。

2018年8月には、約1億円の債務超過に陥り、再建に向けた複数の企業との交渉を行ったものの、交渉は成功せず、経営の立て直しに失敗しました。そして、2019年9月18日には東京地方裁判所から破産手続開始決定を受けることとなります。その時点で、ピクチャーエレメントの負債総額は約1億9400万円に達していました。2020年10月23日に法人格が消滅したことにより、同社は正式にその歴史の幕を下ろしました。

参加作品

ピクチャーエレメントは、多数の映画やテレビ番組に関与しました。映画方面では、2008年に『シャカリキ!』や『容疑者Xの献身』、2009年には『20世紀少年 -第2章- 最後の希望』など、時系列に沿って多くの重要な作品を手がけました。特に2015年の『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』や『バクマン。』は、彼らの技術が生かされた代表的な作品として名を馳せています。

さらに、テレビ番組やミュージックビデオの制作にも参加し、様々なメディアでの技術力を証明しました。たとえば、2012年のAKB48の「真夏のSounds good !」や、RADWIMPSの「ドリーマーズ・ハイ」といった楽曲のミュージックビデオも手掛けています。

結論

株式会社ピクチャーエレメントは、ポストプロダクションの領域で数々の成功を収め、その技術と創造力で日本の映画業界に貢献した企業でした。しかしながら、経営環境の変化や財務の不調により、破産手続きに至ってしまったことは、多くの関係者にとって残念な結果となりました。彼らの作品と技術は、今後も日本のエンターテインメント業界に影響を与え続けることでしょう。

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