ピッシリ山

ピッシリ山：北海道の秘境に佇む静かなる峰

ピッシリ山は、北海道雨竜郡幌加内町、天塩郡遠別町、そして苫前郡羽幌町の3町にまたがる、標高1,031.5mの山です。山頂には一等三角点「比後岳」が設置されており、北海道百名山、北海道の百名山に選定されているにも関わらず、その知名度は比較的低いと言えるでしょう。

天塩山地の雄：アクセス困難な秘境

留萌振興局、上川総合振興局、空知総合振興局の3つの振興局にまたがる天塩山地の最高峰として君臨するピッシリ山。その山容は、朱鞠内湖に注ぐカルウシナイ川やエビシオマップ川の源流となっており、豊かな水系の源を担っています。また、南西側を流れる羽幌川支流の手順沢川には、美しいピッシリ双龍の滝が存在するなど、自然豊かな環境に恵まれています。

山名はアイヌ語の「ピ・シリ（石の山）」に由来しており、その名の通り、岩場や石が点在する険しい地形も特徴です。しかし、ピッシリ山周辺は北海道の中でも特に人口が少なく、周囲10km圏内に民家は存在しないと言われています。最寄りの駅からも約30kmと離れており、交通アクセスは非常に困難です。標高も天塩山地の最高峰としては比較的低いため、知名度が低く、登山者も少ないのが現状です。まさに秘境と言えるでしょう。

登山ルート：険しくも魅力的な挑戦

ピッシリ山への登山ルートは、大きく分けて2つあります。一つは幌加内町の蕗の台からのルート、もう一つは羽幌町の手順沢川右岸からのルートです。

蕗の台からのルート: 母子里から道道688号を通り、宇津内橋を渡って道道528号に入ります。道道528号入口からは未舗装区間となるため、車両での通行には注意が必要です。約1kmほど進むと分岐があり、右折して滝の沢川沿いの林道を進みます。明瞭な登山道を進み、釜ヶ淵岳、熊岳を経て山頂を目指します。比較的整備されたルートですが、山道であることに変わりはなく、体力と装備は必要です。

羽幌町からのルート: 道道741号からデト二股川沿いを進み、羽幌二股ダムを経て登山口に至るルートです。しかし、2018年時点の情報では、道路決壊により登山口手前約20km地点で通行止めとなっているため、事実上、このルートからの登山は非常に困難な状態です。愛奴沢川沿いの林道も通行不可とのことですので、羽幌町側から登山を計画する際には、最新の道路状況を確認することが不可欠です。また、山頂から羽幌町側へ下るルートも藪に覆われており、通行は困難とされています。

ピッシリ双龍の滝：秘境の絶景

羽幌町側には、ピッシリ双龍の滝が存在します。かつては滝へのルートがあったとされていますが、現在では羽幌町側からアプローチすることは非常に困難です。蕗の台側から山頂を経て滝を目指すことも考えられますが、2018年時点では山頂から滝へのルートも藪に覆われており、到達は難しいとされています。

まとめ：静寂と自然に包まれた秘境の峰

ピッシリ山は、そのアクセス困難さゆえに、静寂に包まれた秘境の山として存在感を放っています。登山経験者にとって、未踏の地に挑む冒険の舞台となるでしょう。しかし、自然の厳しさを常に意識し、十分な準備と情報収集の上で登山計画を立てなければなりません。訪れる際には、最新の道路状況や登山道の状況を確認し、安全に配慮した登山を心がけてください。

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