ピュア・マッカートニー〜オール・タイム・ベスト

ポール・マッカートニーのベストアルバム『ピュア・マッカートニー』

ポール・マッカートニーのオール・タイム・ベストアルバム『ピュア・マッカートニー』は、2016年6月10日にリリースされました。このアルバムは、彼の幅広いソロキャリアを網羅したものであり、昨今では久しぶりのベスト・アルバムとなります。前回の『夢の翼〜ヒッツ&ヒストリー〜』から15年が経っており、熱心なファンも期待を寄せていたことでしょう。特に、2016年はビートルズが日本に初来日してから50年の記念すべき年でもあり、ポールにとっても象徴的な意味合いを持つ作品となりました。

このアルバムには、1970年の『マッカートニー』から2015年の『ホープ・フォー・ザ・フューチャー』に至るまでの45年間に発表されたソロ楽曲が収録されています。その中には、1989年以降にリリースされた楽曲が初めて集められており、ファンにとっては貴重な一枚となることは間違いありません。さらに、過去のアルバム収録曲は新たにリマスタリングされ、聴きやすさが向上しています。特にマッカートニーは、音楽を楽しむという目的で選曲を行ったと語っており、彼自身の普段のリスニング体験が反映されています。

具体的には、彼がニューヨークのオフィスで女性から提案された「ドライブ中に聴きたい」というアイデアを元に、楽曲の選定が行われました。「車での長旅中や自宅でリラックスする夜、友人とのパーティーで楽しむための音楽を選ぶことを考えた」と彼は述べています。このように、聴く人を意識した作品作りがなされています。

『ピュア・マッカートニー』は、通常盤とデラックス・エディション、さらには4LPという3つのフォーマットでリリースされました。通常盤には全英・全米でのトップ10入りしたシングル39曲が収録され、デラックス・エディションではそれにさらに28曲が加えられ、全67曲という大ボリュームになっています。特に全米1位を獲得した楽曲も含まれており、マッカートニーの成功を物語っています。

ただし、意外にも過去のオリジナルアルバム『フラワーズ・イン・ザ・ダート』、『ラン・デヴィル・ラン』、『ドライヴィング・レイン』、そしてカバーアルバム『バック・イン・ザ・U.S.S.R.』からは収録曲がありません。この選曲は、彼の膨大な音楽ライブラリの中から何を選ぶかという難しさを示しており、ファンを引きつける要素にもなっています。

アルバムのリリース後、イギリスでは全英シングルチャートで3位を記録し、アメリカでもBillboard 200で最高15位を獲得しました。日本でもオリコン週間アルバムランキングにおいて初登場4位を記録し、マッカートニーは自身の「アルバムTOP10入り最年長記録」を更新しました。71歳11か月という年齢での記録更新は、邦楽・洋楽を問わず歴代最年長ということで、多くのファンに衝撃を与えました。このアルバムは、ポール・マッカートニーの音楽的な足跡や彼の魅力を再評価する貴重な機会となることでしょう。

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