ピョートル・クラスノフ

ピョートル・ニコラエヴィチ・クラスノフ

ピョートル・ニコラエヴィチ・クラスノフ（1869年9月22日 - 1947年1月17日）は、ロシアの軍人であり、ロシア内戦において白軍の指揮官を務めた存在です。また、第二次世界大戦ではナチスドイツに協力し、戦局に影響を与えました。

経歴のハイライト

クラスノフは1888年にパブロフスク士官学校を卒業し、アタマン連隊に入隊しました。第一次世界大戦中は第3騎兵軍団のコサック旅団や師団を指揮し、その能力が評価されました。1917年10月革命が始まると、アレクサンドル・ケレンスキーが陸軍の総司令官にクラスノフを任命します。彼は兵を率いてサンクトペテルブルクに戻り、混乱を収拾しようとしましたが、赤衛軍に敗北し捕虜となります。

ボリシェヴィキから解放された後、クラスノフはドン地区に逃亡し、1918年にはドン・コサックのアタマンに就任。彼はドイツ帝国の支援を受けて軍を再編成し、ボリシェヴィキを追い出すことに成功しました。その後、ポヴォリノやツァリーツィンに進撃しましたが、戦線が膠着し戦闘は長引きました。

白軍への参加

クラスノフは1919年1月、アントーン・デニーキンの指揮する南ロシア軍に加わりますが、内部分裂を避けるために白軍を脱退。その後、ドイツに渡り反ソヴィエト活動を続ける中で、多くの回想録も著し、内戦を振り返る貴重な資料となりました。

第二次世界大戦とその後

第二次世界大戦が始まると、クラスノフはナチスドイツ側に協力して、亡命者や戦争捕虜からコサック部隊を編成します。しかし、アンドレイ・ウラソフとの関係を持つロシア解放軍とは距離を置き、1944年にウラソフと会った際にも統合を断りました。

戦争が終わった後、クラスノフはオーストリアでイギリス軍に投降しますが、英軍の少佐からの約束にも関わらず、ソヴィエトに送還されてしまいます。彼は軍事法廷で絞首刑の判決を受け、同じく指揮官であったアンドレイ・シュクロと共に処刑されました。

家族について

クラスノフの兄、プラトン・クラスノフはロシアの詩人アレクサンドル・ブロークのおばの夫として知られています。また、彼のはとこ、セミョン・クラスノフも軍人で、1942年以降共に戦いました。セミョンの息子であるミゲル・クラスノフはチリで軍人となり、1973年のチリ・クーデターに参加。ミゲルはその後人道に対する罪で逮捕され、2012年まで服役しています。

関連項目

• - アンドレイ・シュクロ
• - イワン・コノノフ
• - ミゲル・クラスノフ

クラスノフの軍人としての生涯は、激動の歴史の中での個人の選択と苦悩を反映しており、彼の活動はロシア史における重要な一ページを形成しています。

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