ピーザ・スクラム級フリゲート

ピーザ・スクラム級フリゲート

ピーザ・スクラム級フリゲートは、デンマーク海軍が運用した艦級であり、1960年代後半に就役しました。本級は、デンマーク海軍の洋上戦力の中心を担った艦であり、2隻が建造されましたが、どちらも1987年には予備役に編入されました。その後1990年代にかけて除籍されました。

概要

この艦級の特徴的な船体形状は平甲板型であり、艦首は強い傾斜を持つクリッパー型となっています。艦首甲板の中央には、主砲としてMk.38 5インチ38口径連装両用砲が背負い式に2基搭載されており、艦橋の近くには近代的な箱型艦橋が配置されています。前方にある単脚式のマストは、艦の通信や探知の役割を果たしています。

中央部には2本の煙突がそびえ立ち、その周囲には艦載艇のためのスペースが設けられています。また、後部にはクレーンが1基あり、艦載艇の運用をサポートしています。艦の両舷には、対艦・対潜用の53.3cm連装魚雷発射管がそれぞれ1基配置されています。近接対空用には、40mm70口径の単装機関砲が計4基装備されており、防水カバーのある単装砲架で守られています。

近代化と戦歴

ピーザ・スクラム級は、その運用開始から約10年後の1976年から1978年にかけて近代化改装を実施しました。この改装では、艦首の2番砲塔が取り外され、代わりにハープーン艦対艦ミサイルの4連装発射筒が舷側に2基設置されました。また、後部甲板にはシースパロー個艦防空ミサイルの8連装発射機が搭載され、その防空能力が強化されました。さらに、Mk.91ミサイル射撃指揮装置も追加され、ミサイル発射の精度を向上させました。

1982年には、ピーザ・スクラム級の一隻であるヘルルーフ・トロルが機関部の火災により著しい損傷を受け、その修理には1983年までかかりました。

同型艦

• - ピーザ・スクラム（F352 Peder Skram）
• - ヘルルーフ・トロル（F353 Herluf Trolle）

このように、ピーザ・スクラム級フリゲートは、その設計や兵装の進化を通じてデンマーク海軍の一翼を担い、洋上での戦闘能力を追求してきた艦艇でありました。最終的には1987年に予備役に編入され、その役目を終え、1990年代には除籍されることとなりました。デンマーク海軍の艦艇として、歴史的な役割を果たした本級の存在は、今も多くの人々に記憶されています。

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