ピーター・ウンジャン

ピーター・ウンジャン

ピーター・ウンジャン（Peter Oundjian, 1955年 トロント – ）は、カナダを代表するヴァイオリニスト、そして国際的な舞台で活躍する指揮者です。

略歴

アルメニア人の父とイングランド人の母の間に、5人兄弟の末っ子としてトロントに生を受けました。幼少期はイギリスで過ごし、7歳でヴァイオリンを始めたウンジャンは、マヌーグ・パリキアンに師事。その後、英国王立音楽大学を経てニューヨークへ留学し、ジュリアード音楽院でイヴァン・ガラミアン、ドロシー・ディレイ、イツァーク・パールマンといった名だたるヴァイオリニストに師事しました。

1980年には、チリのビーニャ・デル・マール国際ヴァイオリン・コンクールで優勝。その才能を開花させ、名声を確立しました。その後、東京カルテットに第1ヴァイオリン奏者として迎えられ、14年間にわたり目覚ましい業績を残しました。1981年からは、イェール大学音楽学部で助教授として教鞭を執り、後進の育成にも尽力しました。

しかし、度重なる腱鞘炎の発症により、演奏家としての活動からの引退を余儀なくされ、指揮者への転身を決意します。苦難を乗り越え、新たな道へと進んだのです。

1998年から2003年までアムステルダム・シンフォニエッタの芸術監督を務めたほか、カラムーア国際音楽祭の芸術顧問および首席客演指揮者も兼任。コロラド交響楽団の首席客演指揮者も務めました。シカゴ交響楽団、サンフランシスコ交響楽団、デトロイト交響楽団、セントルイス交響楽団、ベルリン交響楽団、フィラデルフィア管弦楽団、ザールブリュッケン放送交響楽団、バーミンガム市交響楽団、チューリヒ・トーンハレ管弦楽団など、世界各国の著名なオーケストラに客演。フィラデルフィア管弦楽団の「アブゾリュートリー・モーツァルト」夏の音楽祭でも指揮を務めました。

2003年1月には、トロント交響楽団の音楽監督に任命され、2004年に就任。ウンジャンの就任以前、同楽団は財政難に苦しんでいましたが、彼のリーダーシップと貢献により、経済状況は大きく改善されました。2005年には、ウンジャンを新たな監督に迎えた楽団の最初のシーズンを記録したカナダのドキュメンタリー映画『9月の5日間、オーケストラの再生』（Five Days in September: The Rebirth of an Orchestra）が公開されました。2007年2月には、トロント交響楽団との契約が2012年まで延長。また、デトロイト交響楽団の首席客演指揮者と芸術顧問にも指名され、2006年9月よりその任に就きました。2022年からはコロラド交響楽団の首席指揮者を務めています。

家族・親族

ナディーヌ夫人との間に2人の子供がいます。

また、イギリスの喜劇俳優エリック・アイドルは母方の従兄弟にあたります。アイドルとジョン・デュプレの合作による、モンティ・パイソン映画『ライフ・オブ・ブライアン』に基づくコミック・オラトリオ《ノット・ザ・メサイア》をトロント・ルミナートで初演しました。

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