ファウンデーションの彼方へ

『ファウンデーションの彼方へ』

『ファウンデーションの彼方へ』は、アイザック・アシモフによる著名なSF小説で、ファウンデーションシリーズの第4作目として1982年に発表されました。この作品は、前3部作が刊行されてから実に30年の時を経て登場した続編であり、その根底には、続編を望むファンや編集者の期待があったとアシモフ自身も認めています。彼が最初につけたタイトルは『避雷針（Lightning Rod）』でしたが、商業的理由から『ファウンデーション』という名が付けられました。

本作は、アシモフにとって263冊目の作品となり、初めて『ニューヨーク・タイムズ』誌のベストセラーリストに25週連続で名を連ねるという成功を収めました。これをきっかけにアシモフは再び長編SF小説を執筆する意欲を持つようになります。

作品の中では、長らくファウンデーション世界には出てこなかったロボットについても初めて言及されており、これはアシモフの他のロボット関連作品との関係を示唆するものとなっています。1983年にはヒューゴー賞長編小説部門を受賞し、その影響力を確立しました。

あらすじ

物語の舞台は、設立から500年経った第一ファウンデーション（ターミナス）です。第一ファウンデーションは銀河系の半分を支配し、第二帝国との障壁は取り除かれたかのように思われていました。それでも、若き議員ゴラン・トレヴィズは別の見解を持っていました。トレヴィズは、時間霊廟でのセルダンの立体映像による予言が、現在の状況と非常に合致していることから、彼らがいまだ「セルダン・プラン」の影響下にあり、かつて滅ぼしたと思われる第二ファウンデーションが密かに存在していると確信するに至ります。

彼は議会でこの考えを訴えようとしますが、友人の裏切りにより拘束されます。しかし、ブラノ市長はトレヴィズの意見に賛成し、彼に第二ファウンデーションの探査を命じます。その後、トレヴィズは小型宇宙船「ファースター号」を与えられ、老科学者ペロラットと共に旅立ちます。彼は、ペロラットから「起源問題」についての話を聞き、伝説の人類発祥の惑星「地球」が第二ファウンデーションの所在地であると推測します。

トレヴィズは、古代名「ガイア」と呼ばれる惑星を探すためにセイシェル星区へ向かいます。対照的に、第二ファウンデーションでは若き発言者ジェンディバルが彼らのプランに干渉している「反ミュール」の存在を告げていました。彼は仲間のノヴィと共に反ミュールを追跡し、同時に別の目的で目指した惑星であるガイアに向かうこととなります。

セイシェルに到達したトレヴィズは、コンパーという裏切り者に出会いますが、彼の正体が第二ファウンデーションのエージェントだと看破します。ガイアに到着したトレヴィズたちは、そこに存在するテレパシー能力を持つ生命体の存在や、すべての生物が連結しながら一つの「超有機体」を形成していることを知ります。トレヴィズは、三者の状況の中で銀河系の未来を託す決断を下さなければならないという厳しい選択を迫られることでしょう。

このように、『ファウンデーションの彼方へ』は、果てしない銀河の物語の中で繰り広げられるメッセージ性の強いサイエンスフィクションであり、アシモフの作品としても十全たるものと言えます。

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