ファミコン神拳

ファミコン神拳：週刊少年ジャンプを彩った伝説のゲーム企画

『ファミコン神拳』は、1980年代に『週刊少年ジャンプ』を席巻した、ファミリーコンピュータ（ファミコン）専門のゲーム紹介記事です。当時、ライバル誌『コロコロコミック』の裏技ブームに対抗するため、編集者の鳥嶋和彦が企画しました。

特徴

裏技とパロディ: メーカー非公開のバグ技やデバッグコマンドを紹介し、読者の人気を集めました。記事は人気漫画『北斗の拳』のパロディで、「ファミコン神拳」伝承者がゲームを採点する形式でした。
独特な採点方式: ゲームの複数項目を5点満点で評価し、「あたっ」「あたたたた」といった北斗神拳を模した擬音で点数を表現しました。この採点方式は、後のゲーム雑誌のレビュー記事に影響を与えました。
豪華なプレゼント: 『ドラゴンクエスト』テレホンカードやファミコン神拳伝承者スタンプなど、読者向けのオリジナルグッズも人気を博しました。

ドラクエ誕生秘話

『ファミコン神拳』は、後の国民的RPG『ドラゴンクエスト』誕生のきっかけにもなりました。記事のオリジナルゲーム制作企画として『ドラゴンクエスト』が立ち上がり、鳥嶋和彦が漫画家の鳥山明をライター陣に紹介したことが、ドラクエ誕生に繋がりました。

ライター陣

ゆう帝（堀井雄二）：『ドラゴンクエスト』シリーズ
ミヤ王（宮岡寛）：『ドラゴンクエスト』、『メタルマックス』シリーズ
キム皇（木村初）：『ジャングルウォーズ』、ウェブミステリー
てつ麿（黒沢哲哉）：漫画原作（『マジック・マスター』など）
カルロス（とみさわ昭仁）：『ポケットモンスター』シリーズ、『スクリューブレイカー 轟振どりるれろ』
* コマル大王（小丸良人）：『新桃太郎伝説』、『桃太郎電鉄』シリーズ

彼らはゲーム業界で活躍し、『ファミコン神拳』から生まれた縁は、ゲーム史に大きな足跡を残しました。

企画の終焉とその後

堀井雄二がゲーム制作に専念するため、『ファミコン神拳』は1988年に終了しました。その後、『ファミコン怪盗芸魔団』としてリニューアルされましたが、かつての勢いはありませんでした。

復刻と再評価

2011年には、『ドラゴンクエスト25周年記念 ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III』の特典として復刻版攻略本が同梱され、2016年には関連書籍が発売されるなど、その功績が再評価されています。

『ファミコン神拳』は、単なるゲーム紹介記事にとどまらず、当時のゲーム文化を牽引し、『ドラゴンクエスト』誕生にも深く関わった、伝説的な企画としてゲーム史に刻まれています。

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