ファースト・マン

『ファースト・マン』解説

『ファースト・マン』（原題: First Man）は、2018年に公開されたアメリカの伝記[[映画]]です。デイミアン・チャゼルが監督を務め、ジョシュ・シンガーが脚本を手掛けました。原作は、ジェームズ・R・ハンセンによるニール・アームストロングの伝記『ファーストマン: ニール・アームストロングの人生』。

ライアン・ゴズリングがニール・アームストロングを演じ、クレア・フォイ、ジェイソン・クラーク、カイル・チャンドラーら豪華キャストが集結。スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を務め、大きな話題を呼びました。

概要

本作は、人類史上初めて月面を歩いた宇宙飛行士、ニール・アームストロングの1961年から1969年までのNASAミッション（ジェミニ計画、アポロ計画）を、史実に基づいて描いています。

従来の宇宙開発を描いた群像劇とは異なり、感情を抑制した演出で、ニール・アームストロング個人の視点から物語が展開されます。宇宙飛行士、毛利衛が日本語字幕を監修しました。

あらすじ

X-15の飛行実験中、ニールは宇宙空間で「ある事」を感じ取ります。しかし、着陸時の操縦ミスから退任を促されます。その後、娘の死をきっかけに、ニールは月へ行くことに執着し、宇宙飛行士への参加を決意します。

キャスト

ニール・アームストロング: ライアン・ゴズリング（日本語吹替：内田夕夜）
ジェミニ8号、アポロ11号の船長。月面に到達した世界初の人物。寡黙で感情を表に出さない性格。
ジャネット・アームストロング: クレア・フォイ（日本語吹替：小林さやか）
ニールの妻。夫の冷淡な態度に苛立ちを覚える。
エド・ホワイト: ジェイソン・クラーク（日本語吹替：坂詰貴之）
ニールの友人。アメリカ初の宇宙遊泳を行った宇宙飛行士。
ディーク・スレイトン: カイル・チャンドラー（日本語吹替：山路和弘）
元テストパイロットで、マーキュリー・セブンの一人。
バズ・オルドリン: コリー・ストール（日本語吹替：魚建）
アポロ11号のパイロット。月面を歩いた2番目の人物。ニールとは対照的に明朗快活な性格。

製作の裏側

監督のデイミアン・チャゼルは、フィルム撮影と極力CGIに頼らないVFXを希望。DNEGは進化したスクリーン・プロセスを採用し、ジェミニやアポロ宇宙船の実物大模型を巨大な液晶パネルの前に設置して撮影しました。これにより、CGIでは表現できない自然な反射や揺れをリアルに再現しています。

サターンロケットの打ち上げシーンでは、当時の撮影フィルムを修復し、CGIで煙と噴射を付加しています。

受賞

第91回アカデミー賞では、音響編集賞、録音賞、美術賞、視覚効果賞にノミネートされ、視覚効果賞を受賞しました。

物議を醸した点

ヴェネツィア国際[[映画祭]]でのプレミア上映後、ニール・アームストロングとバズ・オルドリンが月面に星条旗を立てるシーンがないことが議論を呼びました。また、ライアン・ゴズリングの発言がアメリカの保守層から反感を買う事態となりました。

評価

映画批評集積サイトRotten Tomatoesでは、批評家支持率92%、平均評価は10点満点中8.4点。Metacriticでは100点満点中81点と、高い評価を得ています。

史実との相違点

ニール・アームストロングは、映画のように訓練中の事故で顔に怪我を負ったことはありません。
月の足跡の有名な写真は、実際にはバズ・オルドリンの足跡です。
アームストロングが、亡くなった娘カレンのブレスレットを宇宙に放つシーンは創作です。

関連書籍

『ファーストマン: ニール・アームストロングの人生』（上・下）ジェームズ・R・ハンセン著
* 『ファースト・マン　オフィシャル・メイキング・ブック』DU BOOKS

もう一度検索