フアン・デ・ラ・シエルバ

フアン・デ・ラ・シエルバ (Juan de la Cierva y Codorníu)



フアン・デ・ラ・シエルバは、1895年9月21日スペインムルシアで生まれた航空技術者です。彼はオートジャイロの発明者として知られており、またスペイン人として初めて自作の飛行機を空に飛ばした人物でもあります。

生い立ちと初期の業績



シエルバは大地主の家庭に生まれ育ちました。幼少期から航空機に強い興味を持ち、1910年にはバルセロナでの飛行機の展示を見てその夢を膨らませます。翌年、彼はマドリード技術大学に入学し、航空機の設計と製作に熱中しました。1912年には複葉機を完成させ、1914年には3発機を製作、スペイン政府にその承認を得ます。1919年に大学を卒業後、彼は一時期スペイン議会の議員としても活動しましたが、航空技術の開発へと進むことを決意します。

オートジャイロの開発



1920年から彼はオートジャイロの研究を始めます。1923年、シエルバは「シエルバ C.6」の試験飛行に成功し、これが彼の名を世に広める大きな一歩となりました。そして1925年、彼はイギリスに渡り、ファーンボローの空軍省でC.6のデモンストレーションを行い、その飛行能力は高く評価されました。ここでの成功により、彼はジェームズ・ジョージ・ウィアーの支援を受け、翌1926年にはシエルバ・オートジャイロ・カンパニーをイギリスで設立します。

この会社ではC.6の改良版C.8を開発し、続いてC.19の製造にも成功します。最終的に彼が1933年に開発したC.30は、アブロ社の他、フランスのリオレ社、ドイツのフォッケウルフでもライセンス生産されるなど、商業的にも大成功を収めました。シエルバはその技術革新により、1932年にはFAI・ゴールド・エア・メダルを、1933年にはエリオット・クレッソン・メダルを受賞しました。

スペイン内戦と最期の瞬間



1936年スペイン内戦が勃発すると、シエルバは反乱軍側に協力しました。彼はフランシスコ・フランコ将軍をモロッコに移動させるために必要な航空機の調達に尽力しましたが、同年12月、彼は41歳で旅客機の墜落事故により命を落とすこととなりました。

遺産と評価



シエルバの発明は、後のヘリコプター技術に多大な影響を与え、彼の死後も彼の名前は航空界において高く評価され続けました。1966年には、その功績によりサンディエゴ航空宇宙博物館によって設立された国際航空宇宙の殿堂に名を刻みました。また、スペイン科学省が設立したフアン・デ・ラ・シエルバ奨学金も彼の名に由来しています。

彼の生涯は短いものでしたが、航空技術への貢献は計り知れないものがあります。フアン・デ・ラ・シエルバは、航空史における重要な人物として、今でも多くの人々に尊敬されています。

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