フィッツウィリアム・カレッジ

フィッツウィリアム・カレッジ：歴史と栄光

フィッツウィリアム・カレッジは、イギリスの名門ケンブリッジ大学を構成するカレッジの一つです。経済学、生化学、生理学、医学などの分野でノーベル賞を受賞した著名な研究者を輩出しており、イギリスをはじめとする各国の政治家、裁判官、弁護士、実業家など、多岐にわたる分野で活躍する卒業生を数多く輩出していることで知られています。
現在のカレッジは、自然科学者チャールズ・ダーウィンの妻エマ・ダーウィンが晩年を過ごした別邸「ザ・グローブ」をシンボルとしています。

歴史

フィッツウィリアム・カレッジは、ケンブリッジ大学の31のカレッジの中で唯一の大学発祥のカレッジです。1869年、ケンブリッジの中心街、フィッツウィリアム美術館の向かいに、特待生を受け入れる非カレッジ制の学生寮として設立されました。
設立当初はケンブリッジ大学本部の一部として運営され、「フィッツウィリアム・ハウス」と呼ばれていました。学生寮時代の初代学長は、トリニティ・カレッジのフェローであったラルフ・サマーセットが務めました。

1963年には、カレッジの本部をケンブリッジ北西部のStorey's Wayに移転。1966年に現在の「フィッツウィリアム・カレッジ」として正式に設立されました。

設立当初のフィッツウィリアム・ハウスは、現在ケンブリッジ大学のアドミッション事務局本部として機能しており、建物名もそのまま「フィッツウィリアム・ハウス」と呼ばれています。

このような経緯から、フィッツウィリアム・カレッジの紋章は、ケンブリッジ大学の紋章とフィッツウィリアム伯爵の紋章を組み合わせたものとなっています。フィッツウィリアム一族の紋章の使用許可は、第7代フィッツウィリアム伯爵から得たとされています。また、元々大学の一部であったことから、ケンブリッジ大学の紋章そのものをカレッジの紋章に取り入れているのは、31のカレッジの中でフィッツウィリアム・カレッジのみです。

ノーベル賞受賞者

セント＝ジェルジ・アルベルト：生理学者、ノーベル生理学・医学賞受賞
エルンスト・ボリス・チェーン：生化学者、ノーベル生理学・医学賞受賞
アンガス・ディートン：経済学者、ノーベル経済学賞受賞
セーサル・ミルスタイン：生化学者、ノーベル生理学・医学賞受賞
チャールズ・シェリントン：生理学者、ノーベル生理学・医学賞受賞
ジョセフ・E・スティグリッツ：経済学者、ノーベル経済学賞受賞

著名な卒業生

ソフィア (スペイン王妃)：スペインの前国王フアン・カルロス1世の王妃
シャミル・シハビ：元国連総会議長
デービッド・リーキー：元欧州連合軍事参謀部局長
ノーマン・ラモント：イギリスの政治家・元財務大臣
リー・クアンユー：シンガポールの政治家・初代首相
シャンカルダヤール・シャルマー：インドの第9代目大統領
スバス・チャンドラ・ボース：インドの独立運動家
デニス・バイロン：カリブ司法裁判所代表
アンドリュー・リー：香港終審法院の裁判官
ハンフリー・バートン：テレビ・映画監督、エミー賞受賞者
ニック・ドレイク：シンガーソングライター
城戸毅：東京大学名誉教授（西洋史）


この他にも、政界、法曹界、経済界、学術界など、様々な分野で活躍する人材を輩出しています。

フィッツウィリアム・カレッジは、その歴史と伝統を受け継ぎながら、常に時代を先導する人材育成に力を注いでいます。

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