フィデス＝ハンガリー市民同盟

フィデス＝ハンガリー市民同盟：ハンガリー政治の中心勢力

フィデス＝ハンガリー市民同盟（Fidesz-Magyar Polgári Szövetség、略称：フィデス）は、1988年、若き知識人らによってハンガリーで結成された政党です。当初は「青年民主同盟」という名称で、共産主義政権への反対を明確に掲げる反体制運動から出発しました。

結成から民主化への貢献

1988年の結成以来、フィデスは共産主義政権打倒に向け、数々の抗議活動に参加しました。ナジ・イムレ首相処刑記念日やハンガリー動乱記念日の非合法集会、ルーマニアにおけるハンガリー少数民族迫害への抗議など、フィデスの活動は常に自由と民主主義への強い意志を示していました。1989年の円卓会議では、民主主義への移行を巡る重要な議論に参加し、後の民主化に貢献しました。

野党時代と政権交代

民主化後、フィデスは当初自由民主同盟（SZDSZ）と協力関係を築き、議会に議席を獲得しました。しかしその後、党の体制構築、政策路線の違いなどを巡り、SZDSZとの関係は次第に悪化し、離党者も出ました。1990年代、フィデスは右派・保守主義政党へと転換し、KDNPなどの他の右派政党との協力関係を構築していきました。

1998年、オルバーン・ヴィクトルを首相とするフィデス政権が発足しました。オルバーン政権は中小企業育成政策、治安回復、若者向けの住宅・学費支援政策などを実施し、ハンガリーのNATO加盟、EU加盟交渉にも取り組んだ。しかし、2002年の選挙で社会党に敗れ、再び野党となりました。

第2次オルバーン政権と欧州人民党離脱

2010年の選挙でフィデスは圧勝し、再び政権を獲得しました。第2次オルバーン政権は、憲法改正や司法制度改革など、大胆な政策を展開しました。同時に、反移民、反自由主義的な政策も推進し、欧州連合内から強い批判を浴びることとなります。2019年、欧州議会で欧州人民党から処分を受けた後、2021年には同党を離脱しました。

フィデスの支持基盤と政策

フィデスの支持基盤は、国内西部の諸県、中部のバーチ・キシュクン県、東部のハイドゥー・ビハール県、ブダペスト市西部などに集中しています。年齢的には40歳代以上、地方主要都市の住民からの支持が多い傾向にあります。

フィデスの政策は、当初は自由主義的な要素もあったものの、次第に民族主義、保守主義、キリスト教民主主義の色合いを強めてきました。近年では、反移民、反自由主義的な政策が大きな特徴となっています。

結論

フィデスは、ハンガリー民主化の過程において重要な役割を果たした政党であり、その歴史は現代ハンガリー政治を理解する上で欠かせません。しかし、その強権的な政策や欧州との関係悪化は、依然として大きな課題となっています。フィデスを取り巻く状況、およびその政策に対する国内外からの評価は、今後ますます注目を集めるでしょう。

主要選挙における党勢推移

（詳細な表は、データソースに基づき作成してください）

国民議会選挙と欧州議会選挙におけるフィデスの得票率推移をグラフや表で示すことで、その変遷を視覚的に理解することができます。

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