フィフィー

フィフィー（fifie）とは

フィフィーは、スコットランド東海岸で1850年代から20世紀初頭にかけて漁師たちによって使用された、独特なデザインを持つ帆船（ヨット）の一種です。特にニシン漁、特に流し網漁法で活躍し、「herring drifters（ニシン漁船）」として知られていました。

特徴

フィフィーの最も顕著な特徴は、その船体構造にあります。一直線の船首と船尾、長い竜骨、そして広い船腹は、水上での安定性を高めるために設計されました。この安定性は、荒れた海でも漁を続ける上で非常に重要でした。しかし、長い竜骨は小規模な港での操船をやや困難にする側面もありました。

帆走においては、ケッチ型の帆装を採用しており、2本のマストに縦帆を備えています。マストは船首と船尾に配置され、これにより広い作業スペースと良好な視界が確保されました。大型のフィフィーではマストが20メートル以上に達することも珍しくなく、巨大な帆によって高速航行を可能にしていました。

1860年以降、フィフィーには装飾が施されるようになり、船体には独特の美しさが加えられました。1870年代以降に建造されたより大型のフィフィーは、キャラベル厚板構造を採用しました。これは、それまで船の表面を覆っていた硬い板材の代わりに、厚い板材を端から端へと敷き詰める構造で、船体の強度と耐久性を向上させました。

現在の状況と復活

残念ながら、当時のフィフィーは現存していませんが、その歴史とデザインは後世に受け継がれています。スコットランド漁業博物館（Scottish Fisheries Museum）では、このタイプの船を復元し、「Reaper」と名付けて展示しています。また、シェトランド諸島のラーウィックでは、The Swan Trustがフィフィーを保存し、練習船「The Swan」として復活させました。この「The Swan」は現在も活発に活動しており、毎年1,000人もの訓練生を乗せてカティサーク・トールシップレースに参加するため、フランス、デンマーク、オランダ、アイルランドなどヨーロッパ各地の港を巡っています。これらの活動を通じて、フィフィーの歴史と文化は現代に伝えられています。

まとめ

フィフィーは、スコットランドの漁業史において重要な役割を果たしただけでなく、その独特なデザインと高い航海能力で知られる帆船です。漁業だけでなく、歴史と文化を継承する上でも貴重な存在です。

関連項目

ヨット
漁船

外部リンク

スコットランド東海岸のニシン漁の歴史（英語）
Scottish Fisheries Museum
* The Swan Trust

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