フィリップ・ルートヴィヒ (プファルツ＝ノイブルク公)

フィリップ・ルートヴィヒ：プファルツ＝ノイブルク公の生涯

フィリップ・ルートヴィヒ（Philipp Ludwig, 1547年10月2日 - 1614年8月22日）は、16世紀後半から17世紀初頭にかけてプファルツ＝ノイブルク公として統治した人物です。彼はヴォルフガング公とヘッセン方伯フィリップの娘アンナの間に生まれ、プファルツ家の複数の公爵たちの兄にあたります。

領土の相続と統治

1569年、父ヴォルフガングの死後、遺領は4人の兄弟で分割され、フィリップ・ルートヴィヒはプファルツ＝ノイブルク公領を相続しました。1574年には、ユーリヒ＝クレーフェ＝ベルク公ヴィルヘルム5世の娘アンナと結婚し、家門の安定を図りました。1604年には、弟オットー・ハインリヒが子を残さずに亡くなったため、プファルツ＝ズルツバッハを領土に組み込み、勢力を拡大しました。

ユーリヒ＝クレーフェ継承戦争と宗教的転換

1609年、義弟ヨハン・ヴィルヘルムが後継者を残さずに死去すると、その遺領を巡ってブランデンブルク選帝侯ヨーハン・ジギスムントとの間でユーリヒ＝クレーフェ継承戦争が勃発しました。当初ルター派であったフィリップ・ルートヴィヒは、ヨーハン・ジギスムントがカルヴァン派に鞍替えし、プロテスタント同盟の支援を受けると、これに対抗するためカルヴァン派からカトリックに改宗し、カトリック連盟に寝返るという政治的決断を下しました。

和睦と遺領の分割

1614年、フィリップ・ルートヴィヒはヨーハン・ジギスムントと和睦し、クレーフェ、マルク、ラーフェンスベルクはブランデンブルク選帝侯領へ、ユーリヒとベルクはプファルツ＝ノイブルク公領が所有することで決着しました。同年、フィリップ・ルートヴィヒは死去し、ノイブルク公領とユーリヒ、ベルクは長男ヴォルフガング・ヴィルヘルムが、ズルツバッハは次男アウグストが、ヒルポルトシュタインは三男ヨハン・フリードリヒがそれぞれ相続しました。

子女

妻アンナとの間には、8人の子供がいました。

アンナ・マリア：ザクセン＝ヴァイマル公フリードリヒ・ヴィルヘルム1世と結婚
ドロテア・サビーネ
ヴォルフガング・ヴィルヘルム：プファルツ＝ノイブルク公、ユーリヒ＝ベルク公
オットー・ハインリヒ
アウグスト：プファルツ＝ズルツバッハ公
アマリア・ヘトヴィヒ
ヨハン・フリードリヒ：プファルツ＝ズルツバッハ＝ヒルポルトシュタイン公
ゾフィー・バルバラ

フィリップ・ルートヴィヒの生涯は、領土の拡大、宗教的対立、そして後継者への遺産分割など、複雑な政治的状況の中で翻弄された君主の姿を映し出しています。

もう一度検索