フィリポ

フィリポ

フィリポは、新約聖書に登場するイエスの十二使徒の一人です。文語訳聖書、口語訳聖書、新改訳聖書ではピリポと表記され、日本ハリストス正教会ではフィリップと表記されます。伝統的なキリスト教会すべてにおいて聖人とされています。使徒言行録に登場する福音宣教者フィリポとは別人です。

名前について

フィリポという名前はギリシア語の男性名で、ユダヤ人としての名は別にあったと推測されます。フィリポ、ピリポという表記は、「馬を愛する者」を意味するギリシア語のピリッポス（フィリッポス）の、日本語聖書翻訳の新共同訳聖書における、格変化語尾を省いた慣用表記です。

福音書におけるフィリポ

フィリポは四福音書の十二使徒のリストすべてに登場しますが、その記述はあまり多くなく、ヨハネによる福音書に集中しています。ヨハネ福音書によれば、フィリポはベトサイダの出身で、イエスに直接招かれて弟子になりました。彼は知り合いのナタナエルにイエスを紹介し、ナタナエルもイエスの弟子となります。
また、「ギリシア人」（これはギリシア語を話すユダヤ人である可能性も指摘されています）がイエスに会いに来た際には、まずフィリポに仲介を頼んだとされています。

崇敬

西方教会における記念日は、もともと5月1日であり、聖公会やルーテル教会では現在もその日に記念されています。ローマ・カトリック教会では、1955年から5月11日、さらに1969年から5月3日に変更されて現在に至っています。

正教会では、11月14日（ユリウス暦を使用する場合。グレゴリオ暦では11月27日に相当）にフィリップ（フィリポ）の祭日を祝います。この日は、降誕祭前の斎の開始日とされ、「フィリップの斎」と呼ばれています。

関連事項

聖書の登場人物の一覧
フィリポ (福音宣教者)
* ホセ・デ・リベーラの絵画『聖フィリポの殉教』 (プラド美術館、マドリード)

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