フィル・キャンベル

フィル・キャンベル：モーターヘッドを支えたギタリスト

フィル・キャンベル（Philip Anthony Campbell）は、1961年5月7日生まれのウェールズ出身のロックミュージシャンであり、ギタリスト、ソングライターです。彼は、伝説的な英国のロックバンド「モーターヘッド」のギタリストとして、バンドが2015年に活動を終えるまでの約30年間在籍しました。現在は、息子たちと共に新たなグループを結成し、精力的に活動を続けています。

キャリアの初期

ウェールズ南部のポンティプリッドで育ったフィル・キャンベルは、10歳でギターを始めました。ジミ・ヘンドリックス、トニー・アイオミ、ジミー・ペイジ、ヤン・アッカーマン、マイケル・シェンカー、トッド・ラングレンといったギタリストから多大な影響を受けました。12歳の時には、ホークウィンドのライブでレミー・キルミスターからサインをもらったというエピソードがあります。13歳にしてセミプロとしてキャバレー・バンドなどで演奏を開始し、その後、パブロック・バンド「ロクトプス」の一員として本格的なプロ活動をスタートさせ、サウス・ウェールズ地域を中心に活動しました。1979年には、ヘヴィメタル・バンド「ペルシャン・リスク」を結成し、"Calling For You" (1981)、"Ridin' High" (1983) などの楽曲を発表しました。

モーターヘッドへの加入

1984年初頭、ブライアン・ロバートソンの脱退に伴い、「モーターヘッド」のギタリスト募集オーディションに参加。ワーゼルことマイケル・バーストンと共に最終選考に残りました。当初レミーは、従来のトリオ編成を維持するつもりで1人だけを採用する予定でしたが、ワーゼルとキャンベルのコンビネーションを聴き、2人ともグループに迎え入れる決断をしました。同年2月、モーターヘッドのメンバーとしてテレビシリーズ「ヤング・ワン」(The Young Ones) のサウンドトラック制作に参加し、同年9月15日には、コンピレーション・アルバム『ノー・リモース』(No Remorse) をリリースしました。

1995年にワーゼルが脱退してトリオ編成に戻ってからは、キャンベルが唯一のギタリストとしてバンドを支えました。彼のギタリストとしての在籍期間は、モーターヘッドの歴代メンバーの中で最長です。レミーが2015年末に亡くなりバンドが解散するまで、その重責を担い続けました。

現在の活動

モーターヘッド解散後、フィル・キャンベルは3人の息子たちとロックバンド「Phil Campbell's All Starr Band」を結成し、EPを制作しました。その後、「Phil Campbell and the Bastard Sons (フィル・キャンベル・アンド・ザ・バスタード・サンズ)」と改名し、2018年にはデビューアルバム『The Age of Abdurdity』を発表しました。2019年10月には、自身初となるソロアルバム『Old Lions Still Roar』をリリースするなど、精力的に活動を続けています。

使用機材

フィル・キャンベルは、これまで多種多様なメーカーのギターを使用してきました。モーターヘッド時代には、フランスのLAG製エクスプローラー（セイモア・ダンカン製ハンバッカー×2、ボリュームコントロール×1）、ドイツのフラマス製（Framus）、米国のギブソン製（Gibson）のレスポールやフライングV、日本のキャパリソン製（Caparison）などを使用。ブライアン・ムーア製（Brian Moore）のカスタムギターやジャクソン製（Jackson）のキングV、変形型のミナリーク ・インフェルノも使用したことがあります。近年では、スイスのレリッシュ製（Relish）のギターを愛用しています。その他にも、パーカー（Parker）、クレイマー（Kramer）、ESP、PRSなどのギターを所有しています。

アンプは主にマーシャルを使用していますが、スタジオではLine 6、ENGL、Labogaなどのアンプも使用しています。

フィル・キャンベル・アンド・ザ・バスタード・サンズ

フィル・キャンベルと3人の息子を中心に、2016年に結成されました。その音楽性は、消滅した「モーターヘッド」のそれを色濃く受け継いでいます。

メンバー

フィル・キャンベル (Phil Campbell) - ギター
トッド・キャンベル (Todd Campbell) - ギター
デイン・キャンベル (Dane Campbell) - ドラムス
タイラ・キャンベル (Tyla Campbell) - ベース
ジョエル・ピータース (Joel Peters) - ボーカル (2021– )

ディスコグラフィ

ソロアルバム

Old Lions Still Roar - オールド・ライオンズ・スティル・ロアー（2019）

フィル・キャンベル・アンド・ザ・バスタード・サンズ

Phil Campbell and the Bastard Sons (EP)（2016）
Live at Solothurn (EP)（2017）
The Age of Abdurdity - ジ・エイジ・オブ・アブサーディティー（2018）
We're the Bastards - ウィーアー・ザ・バスターズ（2020）
* Kings of the Asylum - キングス・オブ・ジ・アサイラム（2023）

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