フィル・セルウェイ

フィリップ・セルウェイ：レディオヘッドを支えるドラマー、そしてソロアーティストへ

フィリップ・ジェームズ・セルウェイ（Philip James Selway）は、1967年5月23日生まれ、イギリス・オックスフォードシャー出身のミュージシャンです。世界的なロックバンド、レディオヘッドのドラマーとして広く知られています。

レディオヘッドでの活動

アビンドン・スクール時代、エド・オブライエンの誘いを受け、トム・ヨーク、エド、コリンらが結成していたバンド（後の「オン・ア・フライデー」）にドラマーとして加入。以来、レディオヘッドのメンバーとして音楽活動を続けています。バンド内では最年長であり、リズム隊を支える重要な役割を担っています。

ドラム演奏だけでなく、ドラムマシンやパーカッションなど、様々なリズム楽器を使いこなすことも彼の特徴です。また、アコースティック・ギターも所有しており、コリン・グリーンウッドからは「ギタープレイ・歌唱共になかなかの腕前」と評されています。ライブでは、エドと共にバックコーラスを担当することもあり、音楽的な才能を発揮しています。

ソロ活動

2010年には、アルバム『Familial』でソロデビューを果たし、ドラマーとしてのイメージとは異なる、シンガーソングライターとしての才能を披露しました。この作品は、レディオヘッドのメンバーによるソロワークとしては、トム・ヨーク、ジョニー・グリーンウッドに続くものでした。2014年にはセカンドソロアルバム『Weatherhouse』、2023年には『Strange Dance』をリリースしています。

人物像

スキンヘッドがトレードマークで、物静かで温厚な性格として知られています。しかし、トム・ヨークによれば「怒らせると手に負えない」一面も持っているようです。リヴァプール・ジョン・ムーア大学を卒業しており、レディオヘッドのメンバーが大学を卒業するまでは、出版社に正社員として勤務していた時期もありました。

プレイスタイル

ドラムセットのチューニングは高めで、線の細いドラムスタイルを志向しています。ミキシングにおいても、ドラムの音は全面に出ることはありません。プロデューサーのナイジェル・ゴッドリッチも同様のサウンド志向を持っていることで知られていますが、フィル自身は初期からそのようなドラムスタイルを確立していました。特に、『ザ・ベンズ』収録の「ハイ・アンド・ドライ」のような、雰囲気のあるドラムサウンドを理想としています。

ライブでは、ベーシストのコリン・グリーンウッドとアイコンタクトを取りながら、正確なリズムを刻みます。白いジャケットやスーツを着用することが多いのも、彼のステージ衣装の特徴です。

私生活

Caitという女性と結婚しており、Leo、Jamie、Patrickという3人の息子がいます。2006年6月には母親が亡くなり、アムステルダムでのコンサートが急遽キャンセルされ、8月に延期されました。

ソロ作品一覧

Familial （2010年）
Running Blind EP （2011年）
Weatherhouse （2014年）
Strange Dance （2023年）

レディオヘッドの屋台骨を支えつつ、独自の音楽性を追求するフィリップ・セルウェイ。彼の今後の活躍から目が離せません。

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