フィンランド気象研究所

フィンランド気象研究所（Finnish Meteorological Institute、略称FMI）は、フィンランドにおける気象情報を収集、報告し、天気予報を提供する重要な政府機関です。フィンランド語ではIlmatieteen laitos、スウェーデン語ではMeteorologiska institutetと表記されます。日本の気象庁と同様に「フィンランド気象庁」とも呼ばれることがあります。この研究所は運輸通信省に属していますが、比較的独立した運営がなされています。

研究所の活動は多岐にわたり、気象関連の研究だけでなく、気象情報の収集、報告、広報、さらには大気科学に関する幅広いサービスを提供しています。本部はヘルシンキのクンプラキャンパスに位置しています。

職員構成

研究所には、540名の職員がフルタイムで勤務しており、そのうち3分の2が正社員、残りが契約社員です。研究所は24時間体制で運営されており、全職員の約30%が交代制で勤務しています。職員の学歴は高く、54%が大学卒業以上の学歴を持ち、15%は修士号または博士号を取得しています。職員の平均年齢は43歳です。

大気質研究

フィンランド気象研究所は、1970年代初頭から大気環境の質の変化と大気汚染防止技術に関する調査研究を行っています。大気科学、物理学、化学、生物学、工学など、多岐にわたる分野の研究能力を統合し、ヨーロッパの他の研究機関や大学と連携しながら、包括的な研究に取り組んでいます。

主な研究活動としては、大気質計算のための方法と設備の開発、試験、排気ガスインベントリーの作成、大気汚染拡散モデルの開発、大気質の科学的分析、大気汚染防止技術の研究開発などが挙げられます。特に大気拡散モデルの研究は高度に進んでおり、0kmから30km圏内の地域における大気汚染物質の拡散モデル、都市部の多数の発生源からの拡散モデル、運搬機による線状の汚染物質の拡散モデル、危険物質の拡散モデル、臭気を伴う物質の拡散モデルなどが開発、体系化されています。さらに、30kmから3000km圏内の広域拡散モデルも研究されており、これらは利用可能です。

火星探査計画

フィンランド気象研究所は、ロシアの火星探査計画「フォボス・グルント」にも参加しており、気象観測機器を火星表面に降下させる計画を持っていました。さらに、小型ランダーを多数降下させて火星大気の状態を研究する「MetNet」と呼ばれる計画も存在します。これにより、火星の気象環境に関する貴重なデータ収集が期待されています。

関連情報

関連項目:

研究所
大気散乱モデル
アメリカ大気研究センター
MetNet
クンプラ宇宙センター

外部リンク:

フィンランド気象研究所
Public GIS Map Database
フィンランド運輸通信省

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