フェアプレイ (競走馬)

フェアプレイ：アメリカ競馬史に名を刻んだ名馬

フェアプレイは、アメリカ合衆国のサラブレッド競走馬、そして種牡馬として、競馬史に燦然と輝く存在です。競走馬時代は幾多の強豪と激戦を繰り広げ、種牡馬としては、20世紀を代表する名馬マンノウォーの父として名高い活躍を見せました。1956年にはアメリカ競馬殿堂入りを果たし、その功績は現在も高く評価されています。

華麗なる競走馬時代

フェアプレイは、ベルモントパーク競馬場の創設者として知られるオーガスト・ベルモント2世によって生産されました。2歳時には早くも頭角を現し、複数のステークス競走を制覇するなど、その才能の片鱗を見せつけました。しかし、同世代には後に名馬として名を馳せるコリンというライバルがいました。両者の対戦は、フェアプレイにとって苦い経験となりました。プロデュースステークスやメイトロンステークスではコリンに大きく差をつけられ、2着止まり。3歳になっても、ウィザーズステークス、ベルモントステークスと、コリンには勝てませんでした。コリンはその後故障により引退、フェアプレイは最後までコリンを凌駕することはできませんでした。

それでも、フェアプレイは3歳時にローレンスリアライゼーションステークスを制覇するなど、ブルックリンダービーを含む7勝を挙げました。しかし、コリンの輝かしい成績の影に隠れ、年度代表馬には選出されませんでした。1909年にはイギリスで競馬を続けましたが、故障により活躍はできず、同年末に引退を迎えました。

種牡馬としての成功

引退後はアメリカに戻り、種牡馬としてのキャリアをスタート。当初は目立った活躍はありませんでしたが、1917年に生まれたマンノウォーがその才能を爆発させました。マンノウォーは2歳から圧倒的な強さを誇り、1920年にはフェアプレイを北アメリカリーディングサイアーの座に押し上げました。マンノウォーはフェアプレイの代表産駒となり、その血統は「マンノウォー系」として現在まで受け継がれています。

マンノウォー以外にも、フェアプレイは多くの優秀な産駒を輩出しました。ジョッキークラブゴールドカップステークスを連覇したMad Hatter、プリークネスステークス優勝馬のDisplay、ベルモントステークス優勝馬のChance Shotなどがその代表です。これらの活躍により、フェアプレイは1920年以外にもリーディングサイアーの称号を2度獲得しました。さらに、繋駕速歩競走の殿堂馬Fairmountも輩出しています。フェアプレイの牝馬であるSlopingは日本に輸入され、「星富」という繁殖名でヒサヨシを産みました。ヒサヨシは後に有名なヒサヨシ事件に関わった馬として知られています。

1924年には、所有者であったベルモントが亡くなり、フェアプレイはジョセフ・アーリー・ワイドナーに買い取られ、エルメンドルフファームに移されました。そして1929年12月、24歳でその生涯を終えました。現在もエルメンドルフファームには、フェアプレイの墓と等身大の銅像が残されています。

まとめ

フェアプレイは競走馬として、そして種牡馬として、アメリカ競馬史に大きな足跡を残しました。ライバルとの壮絶な戦いや、マンノウォーという伝説的名馬を輩出したその功績は、後世に語り継がれるでしょう。アメリカ競馬殿堂入りという栄誉は、その偉業を証明するものです。フェアプレイの物語は、競走馬、そして競馬界全体の魅力を改めて感じさせてくれます。

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