繋駕速歩競走

繋駕速歩競走について

繋駕速歩競走（けいがそくほきょうそう）は、特異な競馬の形式であり、ドライバーが繋駕車に乗って馬と共同で速さを競う競走です。一般的な競馬とは異なり、ここでは騎手は"ジョッキー"ではなく"ドライバー"と呼ばれます。競走に使われる馬はサラブレットではなく、スタンダードブレッドを主としたトロッターやペーサーと呼ばれる馬が使用されます。この競走の起源は、古代の戦車競走にさかのぼります。

競走の分類

繋駕速歩競走は主に2つの歩調に分けられます。1つはトロット（斜対歩）、もう1つはペース（側対歩）です。トロッターは右前脚と左後脚を同時に地面に着け、次に左前脚と右後脚を着けます。一方で、ペーサーは同時に左右の前後脚を使って歩きます。両者は異なる調教がなされ、同じ馬が両方の競走に出場することはありません。また、競走の違反行為には厳しい規制があり、両者とも競走中は不正な走法がチェックされています。

日本における繋駕速歩競走

日本では大正時代に軍馬の育成のために繋駕速歩競走が奨励され、日本[[競馬会]]により多くの競走が行われました。一時期、兵庫県にあった鳴尾速歩競馬会でも専門の競走が開催されていました。しかし、戦前の競走は4000メートル以上で、20頭以上の馬が出走することが一般的でした。特にスタンダードブレッド種の馬は軍部から排除されたため、他の馬種が多く使われました。1940年、軍部の指示により速歩競走は一時中止され、競馬界は大きな変動を迎えました。

戦後には地方競馬が再開され、速歩競走も復活しましたが、1950年には競走馬資源が不足していたため再び繋駕速歩競走が復活されることになりました。しかし、競走は関西地区に限られ、騎手不足のため戦前の騎手が復帰するという状況が続きました。

長年改良が進まなかったスタンダードブレッドの生産は減少し、優秀な競走馬の不足が顕著となりました。能力差を少なくするために、アメリカからトロッターを輸入する試みも始まりました。また、モービルスターティングゲートの導入もありましたが、急激な平地競走の人気増加により速歩競走の参加人数は減少しました。1968年12月、名古屋での競走を最後に中央競馬での繋駕速歩競走は終息を迎えました。

地方競馬では速歩競走の復活が続いたものの、馬資源の確保が困難に。1971年には盛岡競馬場で行われた競走を最後に地方競馬でも廃止へ。

その他の国々での状況

繋駕速歩競走は北アメリカ、オセアニア、ヨーロッパにおいてもさまざまな形で行われています。北アメリカの80〜90パーセントはペーサーによる競走で、主に1マイルで行われます。アメリカやカナダでは特に人気があり、トロッターやペーサーによる競走が盛んです。

オーストラリアでは専用の競馬場が各地にあり、多くの競走が実施されています。最大のイベントはインタードミニオンチャンピオンシップで、オーストラリアやニュージーランドなどで開催されます。ヨーロッパ、特にフランスでは、速歩競走が盛んであり、多くの馬が従事し、活動が活発です。

フランスでは毎年約1万頭のトロッターが生産されますが、その中から競走馬となるのは約4000頭のみ。競走馬のセリ市では、平均20000ユーロの価格がつけられ、庶民層にも馬主になるチャンスが広がっています。

結論

繋駕速歩競走は、国や地域によって異なる競走形式と文化が息づいており、ギャンブル性が強く、参加者が少なくとも楽しめる魅力を持っています。日本国内ではその歴史を経て、続いていく可能性も多くの障壁がありますが、今後の発展を期待したいところです。

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