フェイス (ジョージ・マイケルのアルバム)

アルバム『フェイス』の詳細

ジョージ・マイケルのソロデビューアルバム『フェイス』は、1987年10月30日にリリースされました。この作品は、彼のキャリアを新たな次元へと引き上げるもので、特にアメリカを中心に約1,000万枚以上のセールスを記録しています。全世界では驚異的な2,500万枚以上の販売を達成し、RIAAからはダイヤモンドディスクの認定を受けました。

商業的成功とヒットシングル

『フェイス』からは5つのシングルがリリースされ、全てがビルボードHOT100の5位以内にランクインしました。特にリードシングル「Faith」は、彼の名を広めるきっかけとなり、その後のシングル「Father Figure」、「One More Try」、「Monkey」も続けて1位を獲得。特に「Faith」は、白人アーティストによるアルバムの中で初めてR&Bチャートで1位を獲得した作品としても評価されています。また、日本では1988年にスバル・レックスのCMソングに起用され、その名が広まりました。

アーティストの背景

ジョージ・マイケルは、1982年にワム!というデュオとしてデビューし、瞬く間にアイドル的な地位を築きました。しかしデュオのイメージや音楽性に対する批判から解放されるため、1986年にワム!を解散します。その後、彼はソロアーティストとしての道を選び、「A Different Corner」をリリース。さらに1984年には「Careless Whisper」を発表しており、ソロ活動を徐々に確立していきました。

制作の舞台裏

『フェイス』の制作は、1986年から1987年にかけてデンマークのPukスタジオとロンドンのSarm Westスタジオで行われました。このアルバムはジョージにとって初のデジタル録音による作品であり、彼自身が作詞・作曲に加え、多くの楽器の演奏を担当しています。「Look at Your Hands」ではデヴィッド・オースティンと共作しています。

ワールドツアーの開催

アルバム発売後、ジョージは1988年2月から『Faith World Tour』を開始し、日本武道館での公演を皮切りに、ロサンゼルスではアレサ・フランクリンとステージを共にするなど、ツアーの成功を収めました。ツアーは翌年7月まで続いたことで、多くのファンに彼のパフォーマンスを体験させました。

評価と賞

このアルバムは、1989年のグラミー賞でアルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞したほか、多数の賞にも輝いています。ローリング・ストーンの選ぶ1980年代のベスト100では84位、さらに2012年には472位として見直され、2005年のチャンネル4の調査ではオールタイムベストアルバム100の79位にランクインしました。2006年、Q誌でも1980年代のベスト40の24位に選ばれ、2020年版のローリング・ストーンのオールタイムベストアルバムでは151位にランクされています。

収録曲

アルバムには以下の楽曲が収録されています（特筆ない限りジョージ・マイケルの作詞・作曲）:

A面

1. フェイス / Faith - 3:16
2. ファザー・フィギュア / Father Figure - 5:35
3. アイ・ウォント・ユア・セックス / I Want Your Sex (Parts I & II) - 9:17
4. ワン・モア・トライ / One More Try - 5:50

B面

5. ハード・デイ / Hard Day - 4:48
6. ハンド・トゥ・マウス / Hand to Mouth - 4:36
7. ルック・アット・ユア・ハンズ / Look at Your Hands - 4:37
8. モンキー / Monkey - 5:06
9. キッシング・ア・フール / Kissing a Fool - 4:35

『フェイス』は、ジョージ・マイケルの才能が存分に発揮された作品であり、彼の音楽的な転機を示す重要なアルバムとして今も多くのファンに愛され続けています。

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