フェラーリ・360モデナ

フェラーリ・360モデナの詳細

フェラーリ・360モデナは、イタリアの有名自動車メーカー、フェラーリが1999年から2005年の間に製造したミッドシップレイアウトを採用した2シータースポーツカーです。このモデルは、F355の後継車として登場し、3.6Lエンジンを装備していることから「360」と名付けられました。「モデナ」という名称は、フェラーリの本拠地であるイタリアのモデナ県に由来しています。

デザインとパフォーマンス

360モデナのデザインは、ダビデ・アルカンジェリというピニンファリーナ社のデザイナーによって手がけられ、彼のビジョンは特徴的なダクト形状やドアノブに反映されています。それらの形状は、女性の爪をイメージしたものとされています。360モデナはフェラーリのラインナップの中でエントリーモデルとも言える存在であり、特にF1のスクーデリア・フェラーリの黄金期と重なる販売期間において史上最多の販売台数を誇る車種でもあります。

クーペモデルにおいてはトンネルバックスタイルが廃止され、ファストバックスタイルを採用しました。このデザイン変更により、エンジンフードにはガラスが使われており、エンジンを目視できるユニークな特徴が加わっています。また、バッキング中にドアを開けると自動的にニュートラルに入る機能が導入され、ドアを開けっぱなしにしてバック走行することはできなくなっています。

性能の進化

360モデナはオールアルミ製のスペースフレームによって作られており、ボディ外装もアルミニウム製です。また、前モデルであるF355に比べて空力性能が劇的に向上し、180mph（約290km/h）で約180kgのダウンフォースを生み出します。公式な性能データによると、トップスピードは295km/hに達し、0-100km/hの加速には4.5秒、0-400m走行には12.6秒を要します。

進化の歴史

360モデナは1999年に発表され、その後日本国内で販売が開始されました。2000年にはオープンカーの「360スパイダー」が追加されるなど、ラインナップが充実しました。2002年にヘッドライトの形状が改善され、光の散乱に関する問題も解消されました。2003年には公道仕様の360チャレンジ・ストラダーレが販売され、2005年に生産は終了しました。

特徴と機能

日本国内での価格帯は1,758万円から2,026万円で、主に左ハンドルでの展開がなされていますが、希望に応じて右ハンドル仕様も選択可能です。搭載されているエンジンはF355の3.5L V8エンジンを基に、改良が加えられて3.6Lに拡大されています。これにより、出力はF355よりも20PS向上し、トルクも1.3kg·m増加しています。

トランスミッションには従来の6速MTと改良された6速セミAT（F1マチック）が用意され、シフトダウン時には自動でのブリッピング機能が施されています。走行性能をさらに楽しむためには、TCU（トランスミッション・コントロール・ユニット）をチャレンジストラダーレと同等のものへ交換することができ、よりスムーズなクラッチ動作が可能になります。

360スパイダーのコンバーチブルトップはドイツのCTS社製であり、油圧シリンダーによってスイッチ一つで開閉できる便利な設計となっています。安全性のため、横転時にはシートの後方に固定式ロールバーが装備されています。

モータースポーツへの参加

360モデナは、2001年から全日本GT選手権（JGTC）に出場するとともに、2005年にSUPER GTに移行しました。後にF430にその役目を譲ることとなりましたが、2009年には再び競技に復帰しました。フェラーリのワンメイクレースとしては、2000年から360チャレンジが開始されています。

360モデナは、そのパフォーマンスとデザインによって多くのファンと愛好者に長年にわたり支持されているモデルです。

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